「やると良いことがたくさんあるのに、やって悪いことは一つもない」それが、ベビーマッサージです
呼び方ややり方に違いはあれど、世界のあちらこちらで、母親が赤ちゃんの体を、やさしくマッサージする営みは、100年前にも行われており、100年後も受け継がれて残っていく営みです。もし、何か一つでも悪い影響やリスクを伴うものなら、受け継がれることなく消えていくはずです。つまり、昔から伝統的に行われ、今も残っているということは、それなりの理由があり、受け継がれる意味があり、そのこと自体に価値があります。それは、「やると良いことがたくさんあるのに、やって悪いことは一つもない。」ことの証として、とても頼りになる事実です。
それだけではなく、当協会の「アタッチメント・ベビーマッサージ」のメソッドは、アーユルヴェーダの赤ちゃんマッサージ手法に基づき、それらを当協会の理事である医師の監修のもとにメソッド化しており、先の「やって悪いことは一つもない」ものであることを担保しております。メソッド構築において、われわれは、「赤ちゃんにとって100の良いことあったとしても、たった一つの悪いかもしれないこと、あるいはリスクが伴うなら、その選択は、一切するべきではない」という考えのもとに、メソッドそのものの安全性を確保するだけでなく、発熱時や皮膚疾患時における対応やマッサージオイルの使用における注意点、指導時の周囲店など、運用面でのリスク軽減についても、カリキュラム化して伝えております。
また、当協会の「アタッチメント・ベビーマッサージ インストラクター養成講座」のカリキュラムは、発達心理学とアタッチメント理論がベースになっています。「アタッチメント・ベビーマッサージ」の効果効能は、すべて「アタッチメント」によるものであると位置づけています。そして、その学術的根拠も明らかにしています。施術法による効果効能を期待するものではなく、母子による心の交流によるアタッチメントの効果を期待するものです。
さらに、ベビーマッサージ全般についてご説明させていただきます。ベビーマッサージには、リンパの流れなど医学に根拠を置くもの、運動生理学に由来するもの、大人のマッサージ手法から作られたものなど、様々な団体による様々な手法やメソッドが存在しています。そのような中で、すべてのベビーマッサージ手法について共通して言えることがあります。それは、ベビーマッサージは、お母さんが、わが子の体をやさしく撫でてあげる営みであるということです。施術者が赤ちゃんに行うのではなく、お母さんが、わが子に行うのが基本の営みです。ベビーマッサージインストラクターは、それを指導し、導く存在であり、自ら施術する存在ではありません。
だからこそ、マッサージの事を何も知らないお母さんでも、安全に、楽しく行えるような手技で構成されています。ですから、ベビーマッサージを行うことで、怪我をしたり、まして死亡に至るなどということは、100%あり得ないことです。
これについて、先般報道されていた大阪の乳児の死亡事故について、触れておかねばなりません。言うまでもありませんが、報道にあったNPO法人は、ベビーマッサージとは、全く関係ありません。一部報道や、特に一般の方の投稿によって、ベビーマッサージと関連付けた投稿がなされてしまっていますが、当該NPO法人のHPを見ても、ベビーマッサージという表現は、一つもありません。また、実際の施術法をみましたが、ベビーマッサージとは、全く異なるものでした。マッサージでさえありませんでした。
ベビーマッサージには、危険性のある手技手法は、一切ありません。また、ベビーマッサージは、施術者ではなく、お母さんがわが子に行う「心の交流」のための営みです。ベビーマッサージインストラクターは、施術を行うことはなく、お母さんにベビーマッサージを教え、導く役割です。ですから、いまベビーマッサージをされている方も、これから始めようと考えている方も、ベビーマッサージを教えている方も、安心してベビーマッサージに取り組んでいただきたく、お願い申し上げます。
しかしながら、そうしたベビーマッサージへの心無い風評の影響については、当協会としても真摯に受け止めている次第です。そのため、今後もベビーマッサージは極めて安全な母子の心の営みであるということを、より多くの方々に知っていただけるように、ますます啓蒙を続けて参る所存でございます。
(社)日本アタッチメント育児協会
代表理事 廣島 大三
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