アタッチメント食育が生まれた真の背景
ホームページでもお伝えしておりますように、今年の全国大会のスキルアップ講座は、「アタッチメント食育」です。
今回の0期講座に限っては、カリキュラム制作にあたった3人の専門家が直接登壇します。作った本人から学ぶことが出来る機会であるとともに、その分野の専門家に意見を聞ける貴重な機会でもあります。3人が直接登壇する機会は、今後ないと思いますので、0期を受講される方は、この機会を積極的にご活用ください。
アタッチメント食育インストラクター養成講座 >>
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さて、今回は、そもそも、このテーマに取組むに至った経緯と、カリキュラム開発における内輪の話を、皆さんと共有させていただこうと思います。皆さんとは、こうした背景も共有した上で、0期講座に臨みたいのです。
もともと「食育」というテーマは、インストラクターのみなさま方の関心が高いテーマでしたので、いずれは取組むべきテーマとして暖めていました。そのような中で、東日本大震災と福島の原子力発電所の事故が起きました。それによって「食の安全」について、われわれの誰もが、改めて真剣に考えさせられました。
「与えられた安全」が、いかに当てにならないものなのか、そして、その影響を最も受けてしまうのは、子どもであることを、実感させられました。それは、「安全な食を得るための方法」ということだけではなく、「子どもの成長と向き合うための食」というもっと大きな枠組みでの実感なのではないでしょうか。だからこそ、今年のこの全国大会のタイミングで、「本当に伝えたい食育」を提案することには、大きな意味があると感じました。
「いずれは取組みたい」が「今、取組もう」に変わった瞬間でした。
では、われわれが「本当に伝えたい食育」とは、一体何なのか?「日本アタッチメント育児協会だからこそ伝えらる食育」とは、どんなものか?まずは、それについて考えました。
行き着いたのが、「親が本当に知りたい食育とは何なのか?」でした。そして。すべての親が共通して持つ思いは、「子どもの成長」だという結論に達しました。
かくして「子どもの成長のために親が知っておきたい食育」というコンセプトが決まりました。
食だから体の成長をテーマにするのではなく、あくまで「子どもの成長」をテーマしていく方針です。ですから、「体の成長」だけではなく、「心の成長」、そして「知能の発達」という三位一体の成長を前提に「食」を学ぶ。そういう食育です。そのためには、発達心理学の要素は欠かせません。
「食育 × 心理学(アタッチメント) =アタッチメント食育」です。
このアタッチメント食育のカリキュラムは、食育、発達心理学のほかに、歯学を入れています。それは、「食」と「歯」の関係性の深さと共に、子どもの成長におけるお母さんの興味の大きなひとつに「歯の成長」や「歯みがき」といったテーマがあるためです。「親が本当に知りたい」を叶えるために、通常の食育では扱われることの少ない「発達心理学」と「歯学」が入ったのです。
カリキュラム制作にあたっては、それぞれの分野の専門家によるチームを組みました。今回の0期講座の講師を務める3人です。食育は、柏原幸代先生、歯学は、高田朋太郎先生、そして、発達心理学は、わたし廣島大三です。
3人が、それぞれの分野の知見を集めて制作にあたったのですが、ここで非常におもしろいことが発見できました。まさに新しい価値が生まれた瞬間です。歯学をつきつめたら、結局は「食育」に行き着き、食育をつきつめたら、「アタッチメント」に行き着き、そして「アタッチメント」は、「人間成長」に行き着いたのです。3人が、別々にテキスト作りをして、それらを持ち寄った時に、このようなことがわかったのです。
つまり、アタッチメント食育は、食育、歯学、発達心理学における個々の専門的な要素を通して、最終的には「食を通した人間成長」というゴールに向かう講座であるということを発見できたのです。
来年2012年のタイミングで、この「アタッチメント食育」を伝えることには、大きな意味があると、私は考えています。震災により「家族の絆」が見直され、「当たり前の安全」が脅かされました。そうした思いは、被災地の方々だけではなく、日本国中に拡がっている思いだと思います。そして、それに対して「何をすれば良いのか」「どうすれば良いのか」といった具体策を見つけられないで、不安ばかりが大きくなっているのが現状だと思います。
そのような現状に対して、「アタッチメント食育」は、ひとつの方向を示すことになると思います。「食」という日常の当たり前の行動だからこそ、毎日の行動だからこそ、実践しやすいのです。だからこそ、大事なのです。それを体系的に学ぶことに、大きな意味があるのです。2012年の活動における「新たな種」として、いっしょに「アタッチメント食育」の種を植えましょう!
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