子どもの能力を伸ばすカギは、親が握っている(1)
今日は、幼児期~学童期(3~12歳)の「教育」について、お話したいと思います。もちろん、発達の観点から見た場合、それぞれの発達段階に応じた発達の課題があるのですが、今日は、少しそれとは別の観点でお話したいと思います。
最近、テレビなどでも「お受験」を題材にしたドラマがやっていたりして、幼児教育というのが、ますますクローズアップされています。私は、幼児教育について反対派ではありませんし、むしろ「教育」についての関心が高まることは、良いことだと思っています。しかしながら、発達心理的な観点から見たときに、「お受験」対応の幼児教育の中には、疑問の部分もあります。
「お受験」で問われるのは、社会性や協調性、想像力といった部分と、基礎学力の部分です。これらは、幼児教育においても、とても重要な要素であり、これらの能力を伸ばしてあげることは、とても有意義であると言えます。
ただし・・・です。それは、あくまで「伸ばしてあげる」ことが重要なんです。つまり、社会性も協調性も、想像力も、基礎学力も、それぞれに、個性豊かに、すべての子どもの中に、もともと存在するものなのです。それらは、10人10色、100人100色です。そのもともと持っている能力を、それぞれに「伸ばしてあげる」ことこそが、最も健全であり、最も能力を高めてあげられることになります。そのような方法で「お受験」のための幼児教育が、行われることが望ましいと思います。
幼児教育というのは、子どもが本来持っている能力を、自由に、個性豊かに伸ばしてあげる教育のことを言うのだと思います。モンテッソーリやシュタイナー、ピアジェなどの幼児教育の理念においても、本質的には、同じような捉え方がもともとはされています。
この話は、次回も引き続き取り上げたいと思います。次回は、では実際はどういうことが起こっているのか、そしてどこへ向かうべきなのかについて触れたいと思います。