遊びを創造する遊び方・・・「メタ認識」(2)
さて、前回は、「シンプルで、遊び方が決まっていないおもちゃ」について、それが、遊びにおいて「変わらない軸」である、というお話をしました。
一見大人が見ると、どうやって遊んでいいのか疑問を持ってしまうくらいの玩具が、子どもにとっては、想像力をかきたて、探究心を刺激して、多くのことを学べる玩具です。大人は、子どもの遊び方に対して、一切の指図も指導も必要ありません。自由にやりたいように、遊ばせるのが良いのです。「遊び方は子どもが決めるものです」
これを脳科学の世界では、「メタ認識」というそうです。遊びの中で、独自のルールを設定することによって、新たな「楽しみ」や「興奮」が生まれ、単体では遊びにはならないことが、遊びとして成立します。
そのような脳の仕組みを「メタ認識」といい、脳科学では、これが非常に大事だと、脳科学者の茂木健一郎さんは、説明しています。
実際の「遊び」は年齢によって違いますが、この原則は、基本的に同じだと、私は考えています。だからこそ、どの年代にも、「遊ばされるのでなく、遊びを創造する遊び」という軸は変わりません。
今回、取材でのインタビューを通して、乳児から学童期までの遊びと発達の関係について、一貫性を持って、考えて、お話しする機械を得ました。これは、とても、貴重なことでした。とかく、月齢や年齢の違い、発達段階の違いによる遊び方の違いに注力しがちなものです。ですが、「変わらない軸」というのがあること、それは、「遊びの原点」であり、脳科学においても、非常に重要な「メタ認識」という用語で説明が可能であることを、再認識しました。
最後に、「遊ばされるのでなく、遊びを創造する遊び」「学ばされるのでなく、探求と創造から生まれる学び」を、子どもに存分にさせてあげるために、親が注意することを、まとめたいと思います。といっても、たったの3つだけです。
1. 期待しない
2. 指図しない
3. 強制しない
たったの3つなのですが、これを守るのは、なかなか難しいです。難しいですが、これをやってしまうと、子どもの貴重な学びを妨げることになってしまいます。逆に、これらを守ることが出来れば、子どもは、驚くほどイキイキと、楽しみながら、深い学びを得て、無限に能力を伸ばしてくれます。