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鎌田 怜那さんの活動紹介
鎌田怜那さんの活動について
鎌田さんは、もともと子ども家庭支援センターで臨床心理士として、お母さんのカウンセリングを行っていましたが、子どもとの関わり方について、何か具体的な提案ができればと思っていらっしゃったところ、ベビーマッサージにたどり着いたそうです。
現在は自身の子育てのご経験や臨床心理学の知識も活かしながら、ご友人と一緒にベビーマッサージとリトミックを合わせた教室を開催しています。
臨床心理士ならではの切り口で、お母さん方の育児相談にどのようなアドバイスをされているかについてもお話いただけました。
臨床心理士の仕事と子育て支援の活動で生まれた相互作用が、子育てを変える
鎌田さんは、臨床心理士をされています。鎌田さんがベビーマッサージと出会ったのは、娘さんの誕生がきっかけでした。早速インターネットで調べると、ベビーマッサージにも色々あることが分かったそうです。そんな中で、心理の専門家である鎌田さんの目に留まったのは「アタッチメント・ベビーマッサージ」でした。臨床心理士にもそれぞれ専門があるのですが、鎌田さんの専門は、まさにこの「アタッチメント」でした。アタッチメントを専門とする臨床心理士さんには、私どもの「アタッチメント・ベビーマッサージ」は、どのように映ったのか、私は内心興味津々で鎌田さんの発表を聞きました。
臨床心理士から見た「アタッチメント・ベビーマッサージ」とは?
鎌田さんは、当初「アタッチメント・ベビーマッサージ」と聞いて、「アタッチメント理論を前面に打ち出したベビーマッサージって、どれ程のものなの?」という印象だったそうです。そんな気持ちでホームページを読んでいくと「意外とちゃんとしてる」と思ったそうです。鎌田さんは、ホームページを隅々まで読んで、そのまま、受講を決めたそうです。実際に受講してみると、アタッチメントや発達心理の内容が本格的で、難しい内容が含まれていたにもかかわらず、講義が思っていた以上にわかりやすかったことに驚いたそうです。
私だから出来るベビーマッサージ教室のカタチ
インストラクター資格を取得した鎌田さんがベビーマッサージを教えるきっかけとなったのは、あるママ友との出会い。最初は、そのママ友に個人的にベビーマッサージを教え始めました。そのママ友は、鎌田さんが臨床心理士であることを知っており、最初は、ベビーマッサージを習いに来るというよりも、むしろ臨床心理士に育児相談をするのがメインの目的のような感じだったそうです。そうして、ベビーマッサージを続けていると、ママとベビーに起こる変化が感じられるようになりました。また、育児相談を通して、ママに何が必要なのかがわかってきました。この気付きは、ベビーとママの「ハッピータイムを提供したい!」という思いにつながりました。これが、臨床心理士としての自分だからこそできる子育て支援の方向性が見えてきた瞬間でした。
ベビーマッサージ教室「マミポケ」の誕生
そこで、鎌田さんは、先ほどのママ友と一緒に、子育て支援のためのサークル「Mommy’s Pockets〜マミポケ」を作りました。パートナーのママ友は、自宅で音楽教室を営んでいたので、この教室を活動拠点として、ベビーマッサージ&リトミックの教室をはじめました。また、臨床心理士として、乳児健診や保健センターの子育てサロンに呼ばれた際に、ベビーマッサージ教室を実施したり、保育園の研修に呼ばれた際には、子育て支援として、ベビーマッサージを提案したりして活動を拡げていきました。
新規はクチコミのみ、生徒を増やしすぎないのが秘訣
鎌田さんの「マミポケ」の集客は、基本的に新規はクチコミ、そして、教室の様子と次回予告をFacebook にアップすることで、リピートを促すスタイルをとっています。それと共に、新規集客の要であるクチコミを活発化するために、クラス終了時に、次回の告知やイベントを知らせるチラシを配っています。これによって、クチコミや紹介が増えただけでなく、常連さんの定着にもつながっていると言います。このやり方は、ある程度の規模感で(規模を大きくすることなく)、無理なく安定的に、そして永く続けられるスタイルです。わかりやすく言うと、常連の方たちが、卒業していくのと同じくらいの人数の新規の方が、クチコミで入ってくるというイメージです。鎌田さんのように、本業を持ちながら、その延長線で活動するケースでは、このスタイルは、負担が少なく、とても有効といえます。
「臨床心理士として出来ないことも、ベビマ教室では出来る!」とわかった日
最初は、「ママたちに伝えたい!」という思いで友人と始めた「マミポケ」の活動ですが、実際やってみると、様々なメリットと本業との相乗補完が見えてきたそうです。臨床心理士としての仕事の中では出来ないことが、「マミポケ」では出来る。「マミポケ」で扱うには、ヘビーな問題を抱えるお母さんに対しては、臨床心理士として対応できる。そんな相互補完の関係が、自然と出来てきたそうです。
背中にそっと手を当てて、話を聴いてあげたい時もある
例えば、臨床心理士をしているある場面で、「ここはお母さんの背中にそっと手を当てて、あるいはハグしてあげて、共感的に話を聴いてあげたい」と感じることがあるそうです。しかし、臨床心理士は、クライエントの体に触れることをしないのが基本であったり、また、自分のスタンスをニュートラルに置く、共感も反発もしない態度が基本であったりするので、これまでは、もどかしく感じることがあったそうです。でも、マミポケの活動でなら、こうした対応もしてあげられます。
本当に深刻な状況のお母さんに、専門家の助けが届かない現実
あるいは、ベビマ教室を通して知り合ったお母さんで、ちょっと深刻な状態になってしまっていて、虐待やネグレクトを想像させるようなケースでは、臨床心理相談の方に誘導することができます。心に問題を抱えて支援や救済が必要なお母さんほど、臨床心理士などの専門家のもとへは行きたがりません。この「必要な人に支援が届かない現実」は、業界が抱える大きな問題のひとつです。しかし、鎌田さんの場合、ベビマ教室の先生として知り合って、その人がたまたま(たまたまではないのですが)臨床心理士だった、ということで、問題を抱えるお母さんとしては、慣れ親しんだ人のところへ行くので、鎌田さんの臨床心理相談に訪れるハードルは、各段に低くなります。
二つの顔を使い分けて生まれるシナジー効果
鎌田さんは、最近では、マミポケの顔と臨床心理士の顔を使い分けることを意識しているそうです。臨床心理士としての自分が、マミポケの顔を見せることによって、よりお母さんに寄り添った対応が可能になり、臨床心理士としての幅を拡げてくれます。マミポケでベビーマッサージ インストラクターをしている自分が、臨床心理士の顔を見せることによって、お母さんたちからの信頼は、圧倒的に増すだけでなく、頼りにもされるようになり、マミポケの評判は上がります。これを鎌田さんの軸で見てみると、鎌田さんの人生が、より豊かに彩られ、その存在が、より必要とされるものになっているのではないかと感じます。
今後の展望「アタッチメントを軸にした4つのプロジェクト
鎌田さんは、今後の展望として、鎌田さんの専門でもある「アタッチメント」を軸に、4つのプロジェクトを立てています。
1つ目は、「周産期サポート」、つまり妊娠期から生後1カ月から2カ月くらいの時期のサポートです。これについては、妊娠期からのアタッチメント・ヨガ(マタニティ)と生後すぐからのアタッチメント・ベビーマッサージで、ママの精神面での切れ目ないサポートを実現していくそうです。
2つ目は、「アタッチメント形成のサポート」です。赤ちゃんが生まれてから3歳になるまでの時期に、ベビーマッサージやアタッチメントジム、キッズマッサージなどの日常の営みを通してアタッチメントを育み、ママが幸せを感じられるお手伝いをするサポートです。
3つ目は、「アタッチメント拡充プロジェクト」です。3歳から6歳のプレスクール期の子どもたちが、より高度なアタッチメントを育むことで、自制心と自尊心を育て、「自分はすごい!誰かの役に立つこともできるんだ!」というセルフイメージをもてる子を、社会に送り出すプロジェクトです。
4つ目は、「魅力伝承プロジェクト」です。これは、講演活動や教育活動を通して、「人間って素晴らしい!」ということを伝えたい。赤ちゃんが育ち、子どもが育ち、それを通してママが育っていく現場で、それを臨床心理士の立場からサポートしてきた鎌田さんだからこそ見えてきた人間の魅力、人間のすごさ、人間のステキさ、を伝えていく活動へと広げる展望です。
子育ての現場は、そこに関わる全ての人が成長する現場である
私は、個人的に、4つ目の「魅力伝承プロジェクト」を、ぜひ応援したいと思っています。私も、子育ては、人間が育つ現場だと考えています。言い換えると、子育ては、親が「子どもを育てる」という20年がかりの壮大なるミッションを通して、自分自身を成長させ、自分の人生を次の段階へと進めていく物語だと思っています。そして、育った子どもは親になり、また成長の物語を紡ぐ。この繰り返しこそが、人間の営みなのではないかと考えています。もちろん、その物語は、親だけではなく、保育者、先生あるいは支援者など、子どもに関わる全ての人にとって、それぞれの物語が存在することを付け加えておきます。
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