子どもへの愛情を育む「アタッチメント・ベビーマッサージ」講師としての活動

今回のインタビューでは、保育士や児童館職員として長年子どもと関わりを持ち続け、現在は「アタッチメント・ベビーマッサージ」講師として活躍する成實さんにお話を伺いました。

保育園勤務から始まり、介護のため一度は退職するも、今は再び子どもたちやその保護者との繋がりを大切に活動する成實さん。

その活動の背景や現在の取り組み、そして今後の展望に迫ります。


保育士からベビーマッサージ講師へ

成實さんは、保育園で5年間働いた後、結婚を機に児童館の職員としても勤務してきました。

幼児クラブの担当などを経験し、長年にわたり子どもと保護者に寄り添ってきましたが、50歳の時に母親の介護のため一度退職しました。その後も、子どもや保護者との関わりを断つことなく、現在は認定こども園で週2回、子育て支援担当として働いています。

また、児童館で「アタッチメント・ベビーマッサージ講座」の講師も務め、子育て支援の現場に再び身を投じています。


資格取得のきっかけ

「何か自分の家で集まって、人を呼びたい」という思いが以前からあったといいます。特に、自身の母親が体調を崩した際、マッサージをしてあげたいという気持ちが強まり、マッサージについて調べ始めました。


そこで出会ったのが「アタッチメント・ベビーマッサージ」でした。

子どもと関わることが好きで、自分の孫にも役立てたいという気持ちから、この資格を取得することを決意したそうです。


「アタッチメント・ベビーマッサージ」の活動

成實さんは現在、児童館4か所で「アタッチメント・ベビーマッサージ教室」を開催しています。



1か所では月に2回、他の3か所では月に1回行われ、保護者と子どもが一緒に参加できる内容となっています。また、勤務している認定こども園でも月に1度の頻度で教室を開催し、保護者との交流の場を提供しています。これらの活動は児童館の集客を通じて行われており、地域に根ざした活動が広がっています。


講座の内容とその工夫

教室では、まずパッチテストから始まり、アタッチメントの重要性についてのお話をします。

お母さんの愛情がどれだけ大切かを語り合いながら、親子の触れ合いを促進していきます。そして、ベビーマッサージに入り、マッサージの後には水分補給の時間や絵本の読み聞かせを行い、保護者同士の会話を楽しんでもらうことも重視しています。
また、月ごとにテーマを設けた「寝相アート」も人気で、例えば7月は七夕、8月はシャボン玉をテーマにした手作り小物を使った撮影会も行われています。

参加者には、成實さんが手作りしたおもちゃをお土産として配っています。
たとえば、100均で売られている椅子の脚カバーを使った「にぎにぎ」は、材料を煮沸消毒した後、中に鈴を縫い付けて綿を入れて作るものです。


赤ちゃんが噛んでも安心で、持ちやすい柔らかいおもちゃです。このおもちゃは、マッサージ中にも役立ち、ぐずりがちな赤ちゃんを落ち着かせる効果もあるとのことです。


寝相アートの魅力

寝相アートの撮影は、参加者にとって大きな楽しみの一つです。保育園で教室が開催される際には、兄姉を保育園に預けた後、弟妹の赤ちゃんだけ連れて写真撮影に来る保護者も少なくないそうです。マッサージに参加しなくても、写真だけでも撮って帰りたいというリクエストがあるほど、人気のイベントです。




このように、ベビーマッサージ教室はただのマッサージ講座にとどまらず、保護者と子どもの心をつなぐ場となっています。


「たあたん人形」の活用

また、成實さんが勤務するこども園では、京都市の「マイ保育園・こども園」という制度を活用し、たあたん人形を使ったベビーマッサージの体験を検討中です。

これは、妊婦さんがこども園を訪れた際に、ベビーマッサージを体験してもらうためのもので、今後さらに広がりを見せる可能性があります。


これからの展望

今後の展望について伺うと、成實さんは「これまでの活動をさらに深めていきたい」と語ります。

特に、保護者同士の交流を促進し、子育てに悩むお母さんたちに寄り添うことを大切にしていきたいそうです。また、今後はさらに多くの児童館や保育施設での講座開催や、新たな取り組みも模索していく考えを持っています。

成實さんのように、長年にわたり子どもと保護者に寄り添い続ける活動は、今後も多くの人々にとって大きな支えとなることでしょう。




まとめ

成實さんの活動は、単なるベビーマッサージの指導にとどまらず、保護者と子どもの愛情の絆を深める大切な場を提供しています。資格取得の背景や現在の活動、そしてこれからの展望に触れる中で、子育て支援の重要性とその意義を再認識しました。



成實 悦子さん(京都府)保育士

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