園の子育て支援事業のなかで始めた ベビーマッサージ教室
清水由美子さんは、東京都西多摩郡の社会福祉法人さくらぎ会運営の保育園「さくらぎこぱん」の園長です。
2015年に「アタッチメント・ベビーマッサージ」、「アタッチメント・キッズマッサージ」、「アタッチメント・ジム」の資格を、つづけて取得されました。
現在、同法人が運営する2園における子育て支援事業の中で、ベビーマッサージ教室を開かれています。今回は、ちょうど5月(2024年現在)に、清水さんが開いたベビーマッサージ教室について、お話を伺いました。
保育士キャリア38年その後半に、未就園児の親子支援にチャレンジ
清水さんが「さくらぎこぱん」の園長になり、今年(2024年現在)6年が経つそうです。
そんな清水さんは、新卒で最初に入った園に16年間勤めました。その後、現在勤める「さくらぎこぱん」の姉妹園である「さくらぎ保育園」に転職します。そこで12年が経った2014年に、姉妹園として「さくらぎこぱん」が新設され、同園に異動となり、2018年より前任の園長の退任にともない、園長に就任し現在に至ります。
現在勤める社会福祉法人さくらぎ会は、清水さんの保育士のキャリア38年のうちの、じつに22年を占めていることになります。
ベビーマッサージ資格を取得した2015年は、現在園長をつとめる「さくらぎこぱん」の主任保育士をしていたころだそうです。
「職場のキャリアアップ制度を利用して『アタッチメント・ベビーマッサージ』の資格を取りました。その当時から、ベビーマッサージがいいらしいと話題になっていたので、自分でもやってみたいと興味がありました。未就園児の親子に向けた子育て支援をやりたいと思っていたこともあり、受講を決めました。」
ベビーマッサージを通して「アタッチメント」の大切さを伝える
働きながらの資格取得ということもあって、資格が2日間の短期集中で取れることも、清水さんにとって決め手だったといいます。
そして、実際に受講してみると、「アタッチメント・ベビーマッサージを選んでよかった!」と感じたそうです。
「ただ単にマッサージの手技を学ぶのではなく、『アタッチメントが大事なんだよ』ということをベビーマッサージを通して伝えられるのがいいなと思っています。保育士として親子にアタッチメントの大切さを伝えて、親子関係を深める、ベビーマッサージがそのきっかけになってくれていると感じます。」
子育て支援事業にベビーマッサージ教室を導入
「さくらぎこぱん」では、年に数回「離乳食講座」などの未就園児の親子へ向けた「育児講座」を開いています。
清水さんが園長になって、「育児講座」にベビーマッサージ教室を加えました。これまではこのベビーマッサージ教室に関われる保育士の確保が難しかったこともあり、ベビーマッサージ教室は、春または秋のどちらかで年に2回のみの開催だったそうです。今年は、その人員が確保できたため、今後は定期開催も展望されているそうです。
教室は3人で担当
ベビマ教室は、全部で1時間ほどの流れで行います。
まずはじめにパッチテストをします。その後、ベビーマッサージについておおまかなお話をして、わらべ歌をうたったふれあい遊びをします。そうしていると15分ほどが経過しますので、ここでパッチテストの確認を行う流れです。(こうした流れを作っている点は、非常に工夫されています。)
そこからは、ベビーマッサージをひと通りはじめからさいごまでやって終了します。
現在は、清水さんと同じアタッチメント・ベビーマッサージインストラクターの資格を持つ萩原未里さん(さくらぎこぱん)、山本薫さん(さくらぎ保育園)と清水さんの3人体制で運営しています。
萩原さんと山本さんが、清水さんに続くかたちで、キャリアアップのために同資格を取得された背景があるそうです。
ベビマ教室では、前にでる講師役1名とサポート役2名の担当を3人で、役割をまわしながらすすめられているそうです。こうして役割をまわすことで、各自の対応力が増すだけでなく、3人のうちの誰かが休んだりしたときの対応がスムーズになるメリットもあるそうです。
5月・6月にベビーマッサージ教室を開催
今年のベビマ教室は、5月8日と22日に開催されました。
「8日は4組いらっしゃいました。双子ちゃんでご参加くださった方がいて、パパとママがおひとりずつお子さんにベビーマッサージされていました。平日開催ということもあって、多くはありませんが、最近はパパが一緒にいらっしゃることもあります。」
「22日は5組が参加されました。月齢の大きなお子さんが人見知りもあって泣き出してしまう場面もありましたが、その親子には、今回サポート役だった私がついて個別にすすめました。」
今年はすでに、翌月6月7日と13日の開催も決定したそうです。ここには、5月に参加された方から早速、リピートの予約が入っている状況だといいます。
告知から予約まで、専用のアプリを活用しています
社会福祉法人さくらぎ会が運営する2つの保育園(さくらぎ保育園・さくらぎこぱん)では、「CiaoCiaoくらぶ」という名前で園庭開放や運動プログラムといった未就園児が参加できるイベントを定期的に行っています。参加を希望する方は、専用のアプリ「きっずノート」に登録、そのアプリを通じて申し込みができます。
育児講座のお知らせと予約も、もともとあったこのアプリを利用して行っているそうです。
そのほか、園児のご兄弟で未就園児がいらっしゃる親御さんには、直接お声がけもされているそうです。
親御さんが、お子さんと遊べる機会を、もっともっとつくりたい
今後は、ベビマ教室を毎月2回ほどの頻度で開催していきたい!と清水さんはお話されています。
「コロナもあったので、保護者がなかなか園に来ていただけない時期がありましたが、徐々に再開できているので、今年は、ベビマ教室もそうですが、子どもたちと保護者と一緒にたくさん遊んでもらえるような企画を子育て講座として考えていけたらと思っています。」
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