育児セラピストは、何故「カウンセラー」や「アドバイザー」ではなく「セラピスト」なのでしょうか。
廣島理事長に聞いてみよう!
Question
私が肩書にしている「育児セラピスト」ですが、何故「セラピスト」なのか、疑問に思う事があります。
セラピストというと、スピリチュアル的なものか、マッサージ等のイメージがあります。
何故「カウンセラー」や「アドバイザー」ではなく「セラピスト」なのでしょうか。
Answer
まず、「セラピスト」という名称についてですが、日本では、マッサージのイメージやスピリチュアルなイメージが強いのは確かです。
ただし、これは、日本特有の現象と言えます。もともと、この「セラピスト」という単語は、英語のTherapist ですので、まずは英語における意味や使われ方についてお話したいと思います。
Therapistの本来の意味は、“心療家や療法家、治療における専門家”を指し、主に心理分野において使われることの多い単語です。
マッサージ師は英語でa masseur (男)、a masseuse(女) と言います。 “a therapist” という呼び方は、英語では一般的ではありません。あえて言うなら、“a massage therapist” となるでしょう。
「育児セラピスト」は、前期課程、後期課程を経て、アタッチメントを軸にした心理学を深く専門的に学び、子どもの発達だけでなく、夫婦関係やコミュニケーションなど、子育てにおいて重要な要素を体系的に修得した「育児の専門家」としての資格です。そのため、「心療の専門家」を指す「セラピスト」をその名称としています。
また、状況によって話を聴くコミュニケーションスキルや、心のケアをするカウンセリングスキルのもとに、お母さんを「癒す」ことも育児セラピストの大事な役割に据えています。こうした育児をするお母さんを癒す役割を、「セラピスト」という呼び名に込めています。
これから後期課程(1級)を学んで「育児セラピスト」を目指される方、すでに「育児セラピスト」として活躍されている方には、この「セラピスト」の語源に則した役割と存在意義を改めて考えていただければ幸いです。
私は、どの地域、どのコミュニティにも「育児セラピスト」がいて、そのまわりにお母さんと子どもがいて、育児に悩み、育児を楽しみ、子どもが成長するのと同じペースで、親も人間として成長し、それと同じペースで、育児セラピストも成長する、そんな光景が広がることが、これからのあるべき姿だと思っています。そんな思いを「育児セラピスト」のみなさんに託させていただいております。
一般社団法人 日本アタッチメント育児協会
代表理事 廣島大三