優秀実践者表彰式・実践発表
今年は、午前中に優秀実践者の表彰式と優秀実践発表を行いました。今年の発表者は、タレントのSHEILAさんをはじめ、個性豊かな発表となり、また具体的な内容も盛り込まれ、大変参考になるものばかりでした。実際のアンケートでも、「優秀実践発表が、とても参考になった!」「私もやる気が湧いてきた」「こういう人たちの仲間でいられてうれしい!」といった感想を多くいただきました。
東京会場
子育て支援部門
SHEILAさん タレント(東京都)
取得資格
「真摯にお母さんと向き合い、正しいことをわかりやすく伝える」
最初に発表していただいたのは、子育て支援部門の優秀実践者で、タレントのSHEILAさん。とってもフレンドリーな女性で、とっても真面目に育児のことを考えるママで、とっても親身な育児セラピストだということが伝わる発表でした。最初は、ご自身のブログの中で、読者から子育ての相談をされるようになり、それが現在のブログ育児相談の形に発展していきました。相談に乗るうちに、自分独自の考えややり方を伝えるだけでは、自信を持って相談に答えることは出来ない、と考えるようになりました。その頃、ベビーマッサージインストラクターとしても活動していましたが、ここでも、やり方を教えるだけでなく、きちんとした根拠や背景を伝えたいという思いが膨らみました。そうした思いで、子育てについて専門的な知識を学ぼうと考え、育児セラピストに出会いました。
まず、育児セラピスト2級を学んでみると、まさに「私が学びたかったのはこれだ!」と思い、その勢いで、続けて育児セラピスト1級まで学び、資格を取得しました。資格を取得して、自身がオリジナルでやってきた子育てや子どもへの対応法に裏付けと学術的根拠を得て、より納得のいく伝え方ができるようになったと実感した、と語られていました。そうした折に、現在執筆中(2015年11月15日現在)の書籍の執筆依頼がありました。これまで、何度か育児本の執筆依頼をもらっていたSHEILAさんですが、これまでは、自分の育児を書籍にするなんて、おこがましい、と言って断っていたそうです。しかし、育児セラピスト1級を取得したのをきっかけに、多くのお母さんにハッピーな育児を伝えたい、という思いから執筆を引き受けたそうです。
SHEILAさんは、執筆に当たって、単に「SHEILA流・育児スタイル」を伝えるのではなく、「どうしてそうする(しない)のが良いか?」「そうする(しない)ことで、どう良いのか?」について、しっかりと伝えることに力を注ぎました。そうして、一つのコンセプトにたどり着いたそうです。それが「OK育児」=「怒らないで、気をそらす育児」です。この考えは、育児セラピスト2級の学びがきっかけだったそうです。講座で島田講師から「3歳までは、やってよいことと、やってはいけないことの判断がつかない」ということを学び、目からうろこが落ちた思いがしたそうです。これまでの育児観が、ひっくり返るほどの出来事でした。育児セラピスト1級で、「怒らないなら、どうすれば良いのか?」の答を得ました。それが「気をそらす」でした。そして、この考えは、児童精神科医の佐々木正美先生の「子どもへのまなざし」に由来することを知りました。つまり、「OK育児」は、わかりやすい呼び名でありながら、その背景では、発達心理学の教えが裏付けされているのです。
今回の発表の中で紹介されている本
『ママが変わる!SHEILAのOK 育児でノンストレス』はマイナビ出版より全国で販売されています
この「OK育児」に代表されるように、SHEILAさんは、終始一貫して、ママたちにわかりやすい表現で、でも子育ての本質を伝えるような文章に、徹底的にこだわったそうです。私自身も、SHEILAさんの執筆のお手伝いをさせていただきましたが、とにかく細部にわたって、「この表現でいいのか?」「これは、発達心理学の文脈においても、正しいのか?」「この内容を、もっとわかりやすく伝えるには、どう表現したらいいのか?」と、最後まで推敲をあきらめない態度には、本当に感心させられました。
SHEILAさんを優秀実践者に選ばせていただいたポイントは、お母さんたちに大きな影響力を持つタレントさんが、真摯にお母さんと向き合い、正しいことを、わかりやすく伝えるために、ご自身も勉強され、責任感と使命感をもって伝えておられるところです。その姿勢は、書籍の執筆においても貫かれており、多くのお母さんの子育てを助け、ハッピーな子育てに導くことにつながる点に置いて、素晴らしい子育て支援を実践されています。
保育・幼児教育部門
井口 愛弓さん 保育士(福岡県)
取得資格
「子育て支援を保育園の園児増加につなげる」
保育・幼児教育部門は、井口 愛弓さんです。井口(いのくち)さんは、福岡県みのり保育園の保育士さんで、2009年から園併設の子育て支援センター「子育てサポートぷちとまと」の運営をされています。みのり保育園は、当時の園児数が40名くらいで、園児は減少傾向にありました。そうした中で、園児数増加の期待を背負って、子育て支援センターの立ち上げが決まり、運営者に井口さんが抜擢されました。
子育て支援事業では、就園前の0歳児から対象となります。最初は、何をやっていいのかを模索する日々でしたが、そんな中で、「子どもとどうやって触れ合ったらいいのかわからない」というお母さんが多いことがわかり、0歳児でも親子で触れ合えるアクティビティとして、ベビーマッサージの導入を決め、アタッチメント・ベビーマッサージ資格を取りました。資格取得後に早速、子育て支援センターで実施しました。ベビーマッサージ教室をはじめてみると、いろんな年齢帯の親子に対応する必要があり、ベビーマッサージだけでは対応が限られてしまうと感じていました。そんな折に、6歳までに対応するメソッドとして、キッズマッサージ、アタッチメント・ジムがリリースされました。井口さんは、早速東京まで出かけていき、資格を取得して、子育て支援センターに導入しました。こうして、0歳児にはベビーマッサージ、1~6歳児にはアタッチメント・ジムという現在の形が出来上がりました。井口さんのベビーマッサージ教室とアタッチメント・ジム教室は、地域でも評判が良く、毎回参加者が集まり、多い時は20人以上来ることもあるそうです。
これには、井口さんのポリシーが生きています。井口さんの教室は、予約なしで受け入れをしており、定員を設けていないのです。それは、お母さんたちが、気軽に参加できて、いつでも参加できて、断られることがない、そういう状況を作ってあげたいという運営者としての願いからでした。しかし、これは、運営者側からしたら、簡単なことではありません。しかも、教室の運営は、井口さん一人で行うことが前提だそうです。5~6人の時は良いですが、ふたを開けてみたら20人だった、という時は、なかなか一人で対応するのは難しいものです。これに対応できているのは、井口さんが、2009年から6年間、ずっとコンスタントに続けてきた経験が大きく活かされているのだと思います。何度も、続けて教室を開いているうちに、対応力が身につき、また大人数に対応できた自信が、さらなる対応力に繋がっているということだと思います。続けることのすごさを感じます。
また、井口さんは、ベビーマッサージもアタッチメント・ジムも、非常に基本に忠実に再現しておられます。特に、様々な年齢帯の子どもに、同時に対応する必要のあるアタッチメント・ジムにおいては、公式テキストを基に、独自に再編集して、使いやすくまとめられています。
こうした井口さんの姿勢が、地域のお母さんたちに受け入れられた結果、みのり保育園の園児数は、今では70人を数えるまでになったそうです。この6年間かけて、40人から70人に園児数が増えている点も、非常に安定感があることが伺えます。6年間という歳月を通して培った地域での信頼が背景となった結果の、園児数の増加だからです。井口さんの事例は、子育て支援事業が、保育園の園児の増加につながった好事例であり、これからの保育園の子育て支援事業のロールモデルとなる事例ではないかと感じました。
アタッチメント教室部門
本郷 容子さん 子ども英会話教室主宰(群馬県)
取得資格
「『お母さんのために何かしてあげたい』という純粋な思い」
幼児教室部門は、本郷 容子さんです。本郷さんは、群馬県で子ども英会話教室を主宰されている英語の先生です。そんな本郷さんの教室には、小さいお子さんとお母さんが、英会話を学びに毎日のように訪れます。そうして、お母さん方とお付き合いしているうちに、なぜか育児相談会になってしまうことも多く、いつからか、本郷さんの教室は、お母さんたちの子育て相談所のようになっていきました。それなら、いっそのこと子育てサロンを開設して、悩めるお母さんにちゃんと対応しようと考えたそうです。
思い立ったら、即行動するのが、本郷さんの性格で、早速行動を始めたそうです。そこで、よく考えてみると、これまで多くのお母さんの育児相談に乗ってきたけど、自分は、子育てや子どもの発達に関して、専門的な知識も、体系的な知識も持っていないことに気付きました。そこで、発達心理学に基づくベビーマッサージが学べるということで、日本アタッチメント育児協会のアタッチメント・ベビーマッサージを受講し、資格を取得しました。そして、晴れて育児サロンをオープンし、早速ベビーマッサージ教室を開催しました。しかし、チラシまで出して告知したのに、最初に来てくれたのは、たった一組だったそうです。それでも、本郷さんは、友人や知り合いのツテを伝って、2回、3回とベビーマッサージ教室を開いていきました。スーパーで赤ちゃんを抱っこしているお母さんに、直接声かけして、教室に来てもらったこともあるそうです。
そんな風に活動していたら、地域の大きな病院の産婦人科で、ベビーマッサージ教室をやってくれないか、と頼まれました。これは、インストラクターとしての信頼につながると思い、引き受けました。行ってみると、20組定員のところに22組の参加者という大所帯でした。ベビマ教室を始めて間もないインストラクターが、一人でこなすには、なかなかハードルが高かったと思います。大人20人、赤ちゃん20人の注目を集め、場をまとめるだけでも大変です。本郷さんは、ここで、気転を利かせて、英語であいさつをしました。これには、お母さんたちも意表を突かれ、注目してくれました。そして、その後も、英語を交えて、ベビーマッサージを進めていきました。これが功を奏して、22組の場は、見事に一体感につつまれました。今の本郷さんの英語を交えたベビーマッサージのスタイルが誕生した瞬間でした。
その後も、本郷さんは、ベビーマッサージと様々なコラボ企画を、立て続けに実施していきました。そのどれも、お母さんの声を反映したものだったため、とても好評でした。例えば、「ベビマと骨盤矯正」、「ベビマとアロマ」。これらは、友人の整体師さんと、アロマエステシャンの方を巻き込んで開催したそうです。一緒にやってくれた友人たちも、お母さんが本当に喜んでくれていたので、とてもやって良かった、また呼んでください、と言ってくれたそうです。また、「ベビマと読み聞かせ絵本」というのもやったそうです。これは、海外の絵本や、あまり知られていない絵本を集めたもので、やはり、お母さんたちの興味を満足させるものだったそうです。こうして、「ベビマ+英語」から始まった本郷さんのスタイルは、広がりを見せています。
私は、本郷さんの発表を聴いていて、なぜ、本郷さんのまわりにお母さんがたくさん集まるのかが、わかった気がしました。それは、本郷さんの心の中に、「お母さんのために、何かしてあげたい」という純粋な思いがあるからだと感じました。何かの狙いがあるわけではない、英会話教室の集客を狙っているわけでもない。ただ「お母さんのために、何かしてあげたい」という思いでやっているのが伝わるから、みんなが集まるのだと思います。
私は、本郷さんのこのスタイルは、やがて、一つの形になると思っています。井口さんの子育て支援センターと同じように、本郷さんの子育てサロンも、地域のお母さんの信頼を徐々に得て、それは、本業である英会話教室につながっていくのだと思います。そして、こうした年月をかけて獲得した信頼に基づく集客は、長期にわたって安定していて、堅い強固なものになっていきます。本郷さんの発表から、これからの「子育てサロンとビジネスの関係性」を見た気がします。
大阪会場
子育て支援部門
中澤 香代さん ヨガ療法士(岐阜県)
取得資格
「市や教育現場との人間関係をベースにした多面的な活動」
中澤さんは、もともと親子ヨガを児童館、児童センター、市の子育て支援センターからの依頼で行っていました。親子ヨガを伝える中で、生徒さんからベビーマッサージも習いたいという要望を聞いたのがきっかけで、アタッチメント・ベビーマッサージ インストラクター資格を取得しました。
中澤さんのすごいところは、ベビーマッサージの資格を取得すると、すぐに依頼があり、早速ベビーマッサージ教室を各地の保育園や児童センター、児童館で展開されている点です。一体なぜ、それほどすんなりと、こうしたところからの依頼を得ることが出来たのでしょうか。
その秘密は、中澤さんの「つながり力」にあると、私は見ています。もともと、中澤さんは、母親クラブやお子さんの学校のPTA活動に積極的に参加されていたそうです。それだけなら、それほど特別なことではありません。しかし、中澤さんがスゴイのは、母親クラブやPTAの活動を通して、先生や市の子育て支援事業担当者と人間関係を作り、信頼を深め、そこから親子ヨガやベビマ教室の依頼につなげている点です。一度依頼を受ければ、今度は担当者や先生の横のつながりで紹介され、次々と依頼が入るわけです。
そんな中澤さんがおっしゃるのは「行政は、親子行事の講師人財を求めている!」ということです。しかし、実際に頼むとなると誰でも良いわけではないので、それまでに人間関係が出来ている人であれば、市の担当者や先生も安心して頼めるわけです。
一つの活動で出来てきた人間関係が、別の活動に繋がり、また別の活動へとつながる。母親クラブやPTAの活動が、親子ヨガ教室につながり、さらにベビマ教室に繋がっている。この「つながり力」が、中澤さんの活発な活動の源ではないかと思います。
しかし、これだけではないのです。実は、中澤さんは、この「つながり力」を支え、拡げる別の2つの力を駆使しています。それが「企画力」と「提案力」です。人間関係が出来ている市の担当者や先生のニーズを読み取り、それに応えるような企画を立てて、それを上手に提案しているのです。市の担当者が、ヨガインストラクターやベビマインストラクターを探していたのではありません。「子育て支援事業として、何か定期的に出来ることはないか?」という漠然としたニーズを持っていただけでした。そこへ中澤さんが、親子ヨガやベビマを企画して提案しているのです。中澤さんが企画を立て提案する上で、もっとも注力したのは、「依頼者のニーズ」と「お母さんのニーズ」を組んで、両方が満足できるようにしたことだそうです。こうした「企画力」と「提案力」が、中澤さんの「つながり力」を加速させていたのです。
育児セラピスト1級では、子育て支援事業の企画をグループで作るワークをして、それを発表するのですが、これは、まさに満足度の高い「企画」と、その気にさせる「提案」を出来るようになるためのスキルを磨くことが狙いとなっています。つまり、「企画力」と「提案力」を磨くということです。中澤さんがやっていたのも、まさにこれです。
中澤さんのように、市や教育現場との人間関係をベースにした活動は、昔から行われてきたことですが、これほど多面的に活動を拡げられているという点が、非常に素晴らしいと思います。まさに「地域の子育て支援のハブ空港」と言えるでしょう。そして、この中澤さんの「つなげていく動き方」は、皆さんにとっても参考にしていただけるのではないかと思います。
医療・看護部門
松本 絢さん 整体師(奈良県)
取得資格
「独身男性の整体師から、頼りになる育児の先生へ」
松本さんは、元ER(救急救命病棟)の看護師で、現在は、お母さんに特化した託児付き整体院の院長さんです。つまり、お客さんの多くは、子育て真っ最中のお母さんです。整体をしながら、お母さんの様々な悩みを聞いたりします。その多くは、子育ての悩みです。しかし、松本さんは、男性で独身です。整体を通して、体を元気にしてあげることは出来ても、子育ての悩みに答えてあげることはできません。仮にアドバイスしたとしても、独身男性の子育てアドバイスを納得してもらうことは、なかなか難しいわけです。
そこで、松本さんは、アタッチメント・ベビーマッサージ インストラクター資格を取得して、まずは基本的な育児の知識を学び、さらに、院内でベビーマッサージ教室を開催しました。そして、さらに育児の専門家としての知識とスキルを身に付けるために、育児セラピスト1級を取得しました。
お母さんにとって、ベビーマッサージを教えてくれる先生で、さらに育児の専門家である育児セラピスト1級の先生となれば、独身であることや男性であることは、問題ではなくなります。お母さんたちの松本さんへのイメージは、独身男性の整体師から、頼りになる育児の先生に変わります。
松本さんのように、自分の仕事に応じて、キャリア・イメージを変えるという発想は、非常に有効です。もちろん、それが資格という形だけのものでは、やがてボロが出てしまいます。当然、中身が大事になります。しかし、いくら育児における知識やスキルを持っていても、相応のキャリア・イメージが伴わないと、相手に聞いてもらうことさえできません。
松本さんが、素晴らしいのは、独身男性の整体師から、頼りになる育児の先生へと、よりお客さんに合うキャリア・イメージを獲得した事だけでなく、高いモチベーションで、育児という未知の世界の知識とスキルを吸収して、自分のものにしていることです。そこには、「整体院に来てくれるお母さんたちも、幸せなってもらいたい」という純粋な志を感じることができます。キャリア・イメージという優れた戦略と、純粋な志という両輪がしっかりと回っているところが、松本さんの素晴らしいところです。
実際、松本さんは、充分に満足のいくキャリア・イメージを獲得した後も、アタッチメント食育、あそび発達、と次々にお母さんたちが興味を持ちそうなものを学び、整体院で日々お母さんたちに教えています。さらに、それらを、よりうまく伝え、お母さんたちにもっとハッピーになってもらうために、心を癒すコミュニケーション術講座も受講されています。
松本さんの整体院で、お母さんたちのたくさんのハッピーが生まれ続けることを期待しています。そして、こうした民間の営利事業と共存する子育て支援事業が、良い結果を生み始めているということも、注目すべきことだと思います。
アタッチメント教室部門
福岡 加奈さん ベビーマッサージ インストラクター(兵庫県)
取得資格
「ベビマ教室をビジネス的な発想で運営」
福岡さんは、2007年から活動されていて、アタッチメント・ベビーマッサージ インストラクターとしては、第4期という最初期の頃の受講生です。8年という長期間活動を続けてこられ、述べ1000組以上の親子に教えてこられたそうです。そんな福岡さんの活動のきっかけは、長女の出産だそうです。自分の子どもにベビーマッサージをやってあげるついでに、人にも教えてみよう、という感じでベビマ教室を始められていたそうです。
今では、生徒向けのテキストは、協会で用意されていますが、この頃はまだ、それもなかった時代でした。福岡さんのすごいところは、「ないものは作ればいい」と言って作ってしまうところです。お母さんに伝えるべき内容や、ベビマのやり方の図解などをインストラクター用テキストの中から抜粋し、手書きの生徒用テキストを作って、それを使って教室を運営していきました。こうした実行力は、福岡さんの活動の源なのだと思います。
こうして始まった福岡さんのベビマ教室ですが、どうやって、8年間も続けてこられ、またどうやって1000組もの親子を集めることが出来たのでしょうか?そこに見えてきたのは、福岡さんの「経営者の目線」です。福岡さんは、自分のベビマ教室を、経営者のような目線で捉え、ビジネス的な発想で運営していかれていたことが、発表から伺うことが出来ました。
例えば「集客」「リピーター」という言葉が、発表の中で出てきます。つまり、「人に集まってもらうためには、何をすればいいか」という視点が集客です。さらに、「その集まってきてくれた人に満足してもらって、また来てもらう」という視点がリピーターです。これは、ビジネスの基本となる考え方です。さらに、「出来ないことは、それが得意な人に頼む」ということを強調されていました。つまり、この事業には何が必要で、そのうち自分には何が出来て、何が出来ないのかを明確化して、出来ない事について、それが出来る人材を確保し、滞りなく遂行してもらう、ということです。これは、組織マネジメントにおいて、リーダーが最も考えなければならないことです。つまり、こうしたビジネス的な発想を持ち、それを実践しているという点が、福岡さんの活動が長きにわたり、たくさんのお母さんに広まった最大の要因だと思います。
こうしてベビマ教室から始まった福岡さんの活動は、ベビマ教室だけにとどまらず、ママフェスの主催や育児サークル、そして子育てサロン事業へと発展しているそうです。まさにママ起業家と呼ぶにふさわしい実例だと思います。今後の益々のご活躍を期待しています。
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実践活動報告