お悩みSV⑤・オンライン会場 :「お母さんたちにアタッチメントをどう伝える」
恒例!お悩みスーパーバイズ 2021
スーパーバイズとは「今抱えている問題・悩み」をグループごとに話し合ってもらい、それに対して当協会理事長の廣島のスーパーバイズのもと、参加者全員からも意見をもらう、というものです。
グループ5: オンライン会場
「お母さんたちにアタッチメントを伝えるためにどうしたらよいか」
子育てサロンをやっている長田さんからのご質問です。グループ1のお悩みに通じる内容ですが、ここでは、お母さんへのアタッチメントの伝え方についてお話していこうと思います。
共通するのは、「体験を通して伝える」ということです。保育士さんなら、保育をとおしてです。お母さんなら、日常の育児を通してです。
お母さんに伝える場合に大事なのは、「楽しさ」「幸せ」「希望」につながるような体験をとおすことです。つまり「アタッチメントというのは、いま感じているこの幸せな感覚のことですよ」ということです。
今日の遠藤先生の講演で、アタッチメントの原点は、危機回避行動としての“くっつき”であり、うれしいから“くっつく”のは、厳密にはアタッチメントとは違う、という話がありました。研究者さんの立場からいえば、当然この原則論は強調したいところでしょう。
同時に、子どもの危機回避行動としてのアタッチメントに親がこたえたとき、子どもの安心や喜びの反応が返ってきます。お母さんのモチベーション(動機)は、ここにあります。子どもの危機を回避することではなく、その先の笑顔です。だから、われわれ子育て支援者は、この笑顔や幸せな感覚を通して、アタッチメントを伝えます。
これをする上で、一番やりやすく、効果も高いのがベビーマッサージです。お母さんが、赤ちゃんにマッサージをする。赤ちゃんは、気持ちよさそうにする。よく眠る。さらに、今日の遠藤先生の話で言えば、非認知スキルが高くなって、頭がよくなる。そうした「楽しさ」や「幸せ」や「希望」といったものに紐づいた感情や感覚をお母さんが抱いたときに、「これがアタッチメントですよ!」といえば、それできっちり伝わるのです。
「今回のような最新の研究や活動のヒントを得るために、勉強会がしたいです」
もう一つは、かねてからのご要望ですね。これについては、わたしも今回、東京のメイン会場だけでなく、オンライン会場や、地方会場、サテライト会場を試してみました。この試みは、今日お披露目させていただいたアタッチメント・アカデミアを拠点にした、定期勉強会を開催する上でのテストケースにもなると考えています。
「研究者と支援者をつなぐ学びの場」を、地方だけでなく、海外も含めて、対面・オンラインを問わず広げていきたいと思っています。
ただし、対面における地方の勉強会ニーズは、非常に小さいというのが実感でもあります。今回、大阪・名古屋・福岡の地方会場以外に、サテライト会場10か所を設定しました。しかし、成立したサテライト会場は、鹿児島と秋田のわずか2か所だけでした。ほかの8会場は、参加者ゼロ、という結果でした。地方から参加された多くの方は、サテライト会場よりもオンライン会場を選ばれています。
実際ふたを開けてみると、対面の会場とオンライン会場をハイブリッドにするとスゴイことが起きるのを実感しました。わたしがいるこの東京メイン会場と、各地方会場と、オンラインのみなさんが、まさに一つの場として、今回の全国大会が行われています。これまで東京と大阪だけで開催してきたときには、参加されていなかった方も参加してくれています。
定期勉強会の方向性が見えてきました!やりましょう!
この事実がわかったことは、今回の収穫です。ひとつの現実的な方向性が見えたからです。おそらく、勉強会はこの型になると思います。アタッチメント・アカデミアをメイン会場に、オンライン会場とつながって一つの場を形成する。地方会場は設定しません。それは、身軽さを重視するためです。勉強会を月1で定期開催しようと思うと、メイン会場+オンラインのハイブリッドという型が、続けるのにちょうどよいのです。それ以上になると毎月は難しくなります。
わたしのなかでは、今回の全国大会でイメージはできています。アタッチメント・アカデミアという場も確保できています。残るは「定期勉強会」をカタチにすること。ご興味のある方は、ぜひ今後のお知らせにご注目ください。
わたし、やりますので!(「わたし失敗しないので!」風)
グループ6小6の息子さんがゲームにはまって没頭することが多いのが気になっている