育児セラピスト・ライフサポーター講座
アタッチメントでアドラー心理学を解釈する
講座ではさらに、アドラー心理学をアタッチメント理論で解釈することもしました。アドラーの考え方は、じつに多くの点でボウルビーのアタッチメント理論と共通しており、親和性が高いのです。
たとえば、アドラー心理学の中核概念のひとつに“共同体感覚”があります。これは、自分の行動が自分だけでなく、相手のためになっている、さらには、自分が所属する共同体のためになっているという感覚です。アドラーは、言います。共同体感覚は、「人が生まれながらに持っている潜在的なもの」であると同時に「意識して育まれなければならないもの」と。この考え方は、ボウルビーがアタッチメントを語るアプローチと同じです。
このことが、冒頭で言ったことにつながります。アタッチメントが人を「全体の構造」から人を理解するのに対し、アドラーは「個の見立て」によって人を理解する。この2つのアプローチが、人間関係の問題を解決する上で、非常に有効である。そのことが、今回の講座で実感できました。