育児セラピスト・ライフサポーター講座
自分を知ることで、アドラー心理学を使いこなす
さてここで、「育児セラピスト・ライフサポーター講座」が、どんな講座だったのかをご報告します。この日、講座をとおして取り組んだのは、「自分について知ること」でした。
“自分”という人間は、考え方や行動にどんなクセをもっているのか。それは性格であったり、性分であったり、生き癖であったりします。アドラー心理学では、これを“ライフスタイル”と呼びました。ライフスタイルは、幼少期4~5歳ころまでにその土台がつくられます。われわれが生きるうえで、よくも悪くもこのライフスタイルがいつも発動します。問題に立ち向かう人・逃げる人、怒る人・悲しむ人、人のせいにする人、弱い立場をとる人、マウンティングする人・・・じつにさまざまです。
アドラー心理学は、その人がどんな「ライフスタイル」をもっているのかを知ることからはじまります。それによって、その人を見立て、「個」として理解しようとします。ライフスタイルを知った上で、「では、理想の自分はどうありたいのか」を考えます。そして、それを目指し、獲得できるように「勇気づけ」します。これについてアドラーは、こういいます。
「選択はその人次第。どんな自分にもなれる。」
講座では、アドラー心理学の基本概念を学んだうえで、さまざまな“セルフワーク”に取り組んで、自身のライフスタイルを見立て、吟味します。それをふまえて「理想の自分像」に取り組みます。
講座のねらいは、もちろん自分自身についてだけではありません。冒頭でお伝えしているとおり、自分と関わるさまざまな人たちとの人間関係に活用することがメインです。自分自身の見立てをとおして、「ライフスタイルとはどんなものか、どういうところを見ればよいのか、どうしたら見立てられるのか」といったことが、経験として理解できます。こうして、理論と実践をとおして身につけられるのも、アドラー心理学の特徴です。