オンライン座談会 第二部:「メンズ育児セラピスト」のパパたちと語る、子育てぶっちゃけトーク
キモは直属の上司!意外にも、職場はパパの育児に好意的
パパの育児や育休について、ぶっちゃけ職場ではどうなのか。竹安さんの小学校、佐伯さんの中学校は、みんな好意的で育児を応援してくれる環境だそうです。逆に、少し年上の先生たちの中には、残業もないのになかなか家に帰らない人もいて、家に帰りたくないのかと不思議に思うことがあります。と佐伯さん。
30歳の佐伯さんには、家に帰らないお父さんが不思議に見えるわけです。50歳のわたしの世代では、こういう男性は多いです。家に居場所がない。だから、仕事もないのに会社に残ったり、居酒屋で遅くまで飲む。そんな人は、実際に多いです。
わたしは、子育てをやっているか、そうでないかが大きいと思っています。子育てに関わってきたパパは、家庭に居場所があります。子どもはパパの帰りを待っています。パパも子どもに会いたいから早く帰りたい。奥さんも、そんなパパはウェルカムです。子育て参加度の低いパパは、逆なんです。世代もあると思います。パパの子育て参加が、今ほど一般的ではなかった時代もありますから。
一般企業では、どうでしょうか。マスコミ系の櫻田さんの会社は、ようやく男性の育休が一般化しはじめたくらいの感じだと言います。育休明けも、みんな好意的で、「よくがんばったね!」と声をかけてくれたり、「もう一回とってもいいよ!」と言ってくれたりもして、ここ3年くらいで、ずいぶん意識も雰囲気も変わってきていると実感します。育休明けも、ノー残業で帰らしてもらえていて、そのために業務を調整してくれたりもしています。結局のところ、上司によるし、部署にもよる。同じ社内でも、古い考えの上司もいるし、そういう部署もあります。直属の上司の考えは、やはり大きいようです。
前田さんの場合、気象予報士の事務所に所属しており、ファミリー的な会社で、社長は4人の娘さんがいるパパなので、育児には協力的な文化があるそうです。たとえば、立ち合い出産の休暇を取る際も、「産後も2~3日休んでいいから」と言ってくれました。産後は、出生届など手続きだけでもいろいろ大変だったので、快く休みをもらえてとても助かったそうです。総じて、会社の社員も同じような価値観を持っているそうです。また、同世代の友人をみると、子育ては男性も女性も両方がやるものだ、という考えが当たり前です。
作業療法士の藤岡さんの場合、病院勤務で女性の多い職場です。その中で男性の育休というのは、かなり珍しいと言います。作業療法士は、技術職なので職人気質のようなところがあって、現場を離れると知見が遅れる、技術が鈍るという考えがあることも大きいそうです。そんな業界で、藤岡さんは病院勤務をやめてフリーランスの訪問リハビリという選択をしました。子どもが生まれたら、育児に注力したり、助産師の奥さんと仕事でコラボしたり、いろいろ動きやすいワークスタイルを得るために、フリーランスを選択しました。