オンライン座談会 第二部:「メンズ育児セラピスト」のパパたちと語る、子育てぶっちゃけトーク

子どもが生まれると、夫婦は戦友になる

竹安さんは、離乳食づくりを習ったり、パパ向けイベントに参加したりする育児に積極的なパパですが、3~4年前、まわりに同じようなパパはいなかったと振り返ります。パパ向けのイベントに出向いても、参加は自分ひとりということも多かったそうです。その意味では、周りとは少し違うパパなのかもしれません。

産後すぐに、奥さんといっしょに育休をとった櫻田さんは、結婚当初は恋人同士のような夫婦関係だったのが、子どもが生まれてからは、苦楽を共にした「戦友」になったと言います。問題を一緒に乗り越える関係性。奥さんもフルタイムで働く櫻田夫妻らしい関係です。

前田さんは、「じつは結婚当初は、まったく家事をしない夫だった」とぶっちゃけてくれました。子どもが生まれて、育児の大変さを奥さんと一緒に味わって、同志のようになるなかで、奥さんがしている家事の大変さに気づきました。そうして、皿洗い、掃除、洗濯・・・とどんどんやるようになりました。そんな前田さんの本音は、「家事をやればやるほど、ハードルと奥さんの期待は上がるばかり・・・それに疲れるときもある」そうです。みなさん、これにはうなずいていました。

じつは、おもしろい調査があります。妻の夫への期待値の満足度は、夫の家事参加度と相関性はないのです。つまり、ある奥さんは、たまに家事をしてくれるだけでも夫に満足するが、別の奥さんは、積極的に家事をする夫に対して、どれだけやっても満足しない。結局は、夫への満足度は、妻の主観によって決まるのです。

これについて、もっとも家事をやっている佐伯さんも、同意見だと言います。周りの人からは「それだけやっていたら、奥さんから感謝されまくってるんでしょうね」と言われますが、そんなことはない。「どれだけやっても、妻は思ったほどは満足してくれていない」というのが佐伯さんの実感。

それでも、妻に代わって育児と家事をしている今、妻は昔よりやさしくなったと言います。そんな佐伯さんの育休生活も、6カ月が経ち、折り返しをむかえました。奥さんが佐伯さんにつけた点数は・・・「60点」だそうです。「あと40点はなにが足りないんだろう」と悩む佐伯さん。それは、奥さんの気分なのでどうしようもありません。いずれにしても、佐伯さんの育休をきっかけに、奥さんの気持ちが満足に向かったのは、たしかでしょう。

藤岡夫妻は、夫婦でユニットを組むほどの関係です。藤岡さんは、奥さんを「自分に愛情を教えてくれた人」と称します。奥さんは、なんでも言葉に出して伝えます。「ありがとう」「ごめんなさい」「好きだよ」「イヤだよ」・・・。当初、藤岡さんは、そういうことをあえて言葉にすることに抵抗があって、おちゃらけたり、冗談半分に聞いたりしていました。でも、奥さんの言葉を聞くうちに、それらの言葉と気持ちは、本心なのだと感じ始めます。それを言われてうれしい気持ちにも気づきます。だんだん藤岡さん自身も、自分の気持ちをきちんと言葉にするようになりました。意見の行き違いがあっても、言葉にして話す。それが「自分に愛情を教えてくれた人」という奥さんへの評価につながっているそうです。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ