コロナ禍のみえない精神リスク(2)
コロナ禍のみえない精神リスク(2)
大事なのは、モヤっとしたら、処理すること
前回は、コロナ禍は、われわれの想像以上に、心にストレスをかけ続けている。そうしたストレス状態に慣れてしまって、それが”日常“になってしまう状態が「うつの入り口」である、というお話をしました。いま、われわれはみな、コロナによる「精神の環境リスク」を抱えているわけです。
では、これに対応するためには、どうしたらよいのでしょうか?今回は、そのお話をしていこうと思います。
3~5分、簡単、地味、いつでも、どこでも、思いついたらできること
わたしは、コロナ以前から、心が「モヤッ」としたら、マインドフルネスをその場で行うことを習慣にしています。コロナ禍では、その機会が圧倒的に増えています。「日に何度も」です。これは、コロナ以前には、考えられない頻度です。
その場で、ほんの3~5分おこなうだけです。やっていることは、地味なことです。それをやったからと言って、劇的な効果を感じるわけではありません。それでも、その都度おこないます。数カ月くらい経ったころに思い返すと、「よくもまあ、あれほどの緊張状態の連続を乗り切ったな~」と回想します。それが効果です。やるのと、やらないのとでは、おどろくほど大きな違いがあります。すぐには 実感しないけど、数カ月、数年単位で振り返ると、心から実感します。
わたしがやっている「心の対応」・・・自律訓練法・瞑想・ヨガ・ランニング
では、具体的に何をやっているのか、ご紹介しましょう。
わたしの場合、仕事中なら、自律訓練法をその場でおこないます。(やり方については、ネットに載っていますので、興味のある方は、気軽にためしてみてください)
家では、夜寝るまえに、正座瞑想(座禅)をします。夜というのは、一日の終わりに、きょう心にかかったストレスの数々をリセットする意味です。 たまに、朝起きた時に心が「モヤッ」とするときは、ヨガの太陽礼拝のポーズをおこないます。
そのほか、コロナ禍でジムに行けなくなった代わりに、週に1回ランニングを5㎞。ある種のやり方でランニングをすると、瞑想と同様の効果があります。それだけでなく、体を疲れさせることで、睡眠の質が上がります。よく寝て、よく食べる。お酒もオイシイ!そんな好循環を期待して。
こうした「心の対応」を行うことで、「ストレスにさらされている状態」がリセットされます。ストレス状態は、“日常”ではなくなります。
われわれは、よほど意識しなければ、「モヤッ」とすること自体に気づけません。まずは、「心に必要以上に負荷がかかっている」ことを出発点にして、「モヤッ」としていようがしてなかろうが、なにかしらの「心の対応」を、日常に取り入れることが重要です。
やることは、地味で簡単で時間もかかりません。
それが、コロナ禍で、正気を保っているための最良の防衛手段です。
一般社団法人日本アタッチメント育児協会
理事長 廣島 大三