息子は小さな頃から、困ったことがあっても私に相談してくれません。

廣島理事長に聞いてみよう!

Question

小学校2年生(8歳)の息子についてご相談です。息子は小さな頃から、困ったことがあっても私に相談してくれません。先日、学校の面談の際に先生から「息子さんから何も相談されないんですか?」と言われてしまいました。親子関係がきちんと築けていない事が原因なのか、不安です。知人に相談したところ、「自己解決ができているのなら、いい事なのでは?」とも言われました。いつまでも親に頼るよりは、いいのでしょうか。それでもまだ8歳、これから何か出来ることはありますか?(P.N.あきこ)

Answer

廣島大三

このご質問は、お悩みの前提論をお伝えし た時点で問題解決してしまいます。それは 何かと言いますと…

「子どもは、『相談』しない」

「『相談』は、大人の脳が行うことである。」

そもそも相談と言うのは、問題の性質を見極め、それに対する解決の着地点を設定し、そこに至る道筋の可能性を探る上で、他者の意見や知見、経験を利用する行為。

子どもの脳は、これほど高度に論理的な行為をする準備はできていません。これが出来るのは、ピアジェの認知発達論で言えば、12 歳以降つまり中学生くらいから。8 歳の子どもが『相談しない』のは当たり前。

察するに、お母さんが期待している『相談』というのは、息子さんとの『日常会話』の中で、お母さんが問題を発見し、それを解決すべく言葉かけをした経験です。つまり、「相談されたことがない」のは、息子さんの問題ではなく、お母さんの認識の問題の可能性があります。

日常会話の中で、子どもは、色々なことを発信します。ただ起きた出来事、楽しかったこと、悲しかったこと、悔しかったこと。それに対して、お母さんは「じゃあ、明日はこうしてみよう」とアドバイスしたり、「それは良かったね~!」、「悲しかったね~」、「痛かったね~」と共感の言葉を返したりします。結果として、子どもの日常の悩みや不安が解決されます。

いかがでしょうか、このように言い換えると、「それなら、私も普段やってるわ!」とお思いになるのではないでしょうか。それが子どもの脳と大人の脳における『相談のやりとり』なのです。

一般社団法人 日本アタッチメント育児協会
代表理事 廣島大三

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