企業は育児支援に取り組めば、メリットがいっぱい
先日、6月19日、中京テレビの夕方のニュースで、私の「パパ講座」が取材を受けて、その特集がOAされました。
私としては、個人的には、パパの育児参加をもっともっと応援したいのですが、全体の潮流としては、子育てに積極的なお父さんは、まだまだ少数派のようです。それでも、ルカが生まれた10年前と比べると、今のお父さんは、育児に対して協力的で、また、子どもの発達や成長に対する興味も大きいと実感しました。
お父さんたちは、育児参加したいという気持ちも意欲もあるんですね。でも、現実問題、仕事と育児のバランスを考えれば、仕事にほとんどのウェイトを置かざるを得ない、というのが、実情です。そのような状況の中で、今後、企業の育児支援に積極的に関わっていこうと思っています。
名目や社則だけの「育児支援制度」ではなく、きちんと文化として機能する企業内育児支援というのを、推進していきたいです。そのためには、単なる福利厚生ではなく、育児支援制度を導入することによって、企業側になんらかのメリットがあることが求められます。だから、今の時流では、企業イメージアップというメリットを得るために、大企業ほど、育児支援を積極的にうたい、PRしています。大企業の人事部の大きな命題は、いまや「いかにして「子育てにフレンドリーな会社であるか」を、世間にアピールすることです。
「わが社では、制度だけではなく、実際に、男性社員にも、積極的に育児休暇を取らせています。」と聞くと、育児支援に積極的な会社であると思いますよね。でも、実情は、その育児休暇が「たったの3日」とかいうのが実情です。「育児休暇を男性社員がとった」というその事実が重要なわけです。
そういう形式や見せ掛けの「育児支援」を掲げられると、社員は当然実情をわかっていますので、企業PRに利用されたと感じてしまいます。そうすると、その企業が子育てフレンドリーであることをPRすればするほど、社員は白けてしまいます。こうなると、社員のモチベーションや帰属意識は、薄くなってしまい、やがては士気の低下を招きます。こうなると企業のデメリットは深刻です。しかも、厄介なことに、こうしたメンタルな作用は、目には見えませんので、問題が見過ごされ、されに悪化します。こうなると、何のための育児支援か、全くわかりません。
でも、企業が、きちんと「本物の」育児支援に取り組んだ場合、それは、単なる福利厚生や企業イメージPRにとどまらないメリットが生まれます。それは、社員のモチベーションや、人間成長の面、また社員のメンタルヘルス、仕事へのやる気、効率が、劇的に変わるというメリットです。
目に見えないこうしたところで、良い効果を生むか、士気を下げる効果を生むかでは、雲泥の差が出るということです。だからこそ、正しい企業内育児支援を行えば、子どもを持つ社員は、気持ちよく働けて、独身社員も、将来のワークライフバランスに良いイメージがもてます。さらに会社側から見ても、社員の士気が上がり、帰属意識が高まり、仕事効率が上がり、さらに、社員の人間成長を見込めます。こんなにいいことはないと、私は確信しています。