お悩みSV③・大阪会場:「大人のアタッチメント、なにかできることはない?」
恒例!お悩みスーパーバイズ 2021
スーパーバイズとは「今抱えている問題・悩み」をグループごとに話し合ってもらい、それに対して当協会理事長の廣島のスーパーバイズのもと、参加者全員からも意見をもらう、というものです。
グループ3: 大阪会場
「大人になった娘に対して、アタッチメントをやり残した思いがあるとき、なにかできることはないか、いまのやり方でいいの?」
21歳になる娘さんに対して、自分なりに、アタッチメントのやり直しを手探りしています。協会で学んだアタッチメントの基本を応用して、すでに大人になった娘に対して、なにができるのかを考えながら、育てなおしのつもりでやっています。しかし、「本当にこれでいいの?」と不安な気持ちは消えません。
これに対し、「大阪会場のチームメンバーからは、お母さんの気持ちを、大人になった娘さんに正直に伝えれば、ちゃんと伝わるのではないか。」
「お母さんと娘さんのよい経験や関係で、上書き保存したらどう?」
といったアドバイスがあがりました。「上書き保存」という考え方は、育てなおしよりも言葉としてしっくり来たと言います。
アダルトアタッチメントの方針で、大人として接する
さらに、東京会場の島田先生に意見を聞きました。というのも、ちょうど前日のアタッチメント・ペアレンティング講座で、島田先生もご自身の子育てを振り返って、大人になった娘さんとの関係性をやり直し中だとおっしゃっていたからです。島田先生は、ご自身の娘さんとのアタッチメントのやり直しを、こんな風に伝えてくれました。
『自分は、わるい母親だった。不完全な親だった。仕事の忙しさから娘に対応してこなかった。そして、いま40歳を過ぎた娘に対して、対等な大人としてアダルトアタッチメントの観点から、アタッチメントのやり直しをしています。その際、自分の間違いは素直に認め、娘のできていることは素直に褒め、アダルトアタッチメントを育む、娘をいっしょに生きていく仲間としてアタッチメントの道を歩むように心がけています。
この協会と出会って「アタッチメントは一生をとおして強化される」と教わったことは、アタッチメントからの贈り物だとおもっています。親失格だったわたしですが、今からでも遅くはない。娘とは、一人の大人として接して、アダルトアタッチメントを育もうと心がけています。』
謝ることも、ほめることも、笑いながら伝えあう
親だって間違うのです。それは、人間だから当たり前のことです。初めてやることなのだから、当然のことです。
わたし自身も、24歳の娘に「パパの子育ては、決して完璧じゃなかったし、結果的に間違ったこともいっぱいした。そのせいで傷つけたり、息苦しい思いをさせてしまったこともあったと思う。ごめんね。」と伝えたことがあります。おなじ大人として、それを笑いながら伝えられれば、それこそがアダルトアタッチメントの育みだと思います。
娘さんといっしょにお酒を飲んで楽しんでるときなんかに、そういう話をしたり、「ごめんね」を伝えたりする。日常の中のそうした関係性こそが、大人のアタッチメントであり、コフートが心の治療で目指すところの「成熟した依存関係」なのだと思います。
この一連のやり取りを受けて『これまで手探りでやってきたことが「それでよかったんだよ!」といってもらえたようで、心が軽くなりました』とおっしゃっていました。
グループ4子どものことを知りたい、そのためにどんな活動をすればよいのか