発達の階段を無視した幼児教育は逆効果?!

まずは、「愛着」の土台作り

発達心理学の世界では、愛着形成がしっかりできた子どもは、情緒が安定していて、想像力が豊かで、なおかつ問題解決力に富み、論理構築能力に優れた子どもに育つための土台が、非常に豊かにしっかりと育まれることがわかっています。

この土台のもとに、今度は、発達段階をよく理解して、子どもの「探究心」や「興味」を伸ばしてあげる「遊び環境」を与えることで、それぞれの特性は、能力となって開花します。ここの部分が、いわゆる幼児教育と呼ばれる部分であり、モンテッソーリやシュタイナーの思想や理念は、ここに宿っていると思います。
そういう意味で、幼児教育は、本来とても意義のあることだと思います。一方で、大きな危機感も持っています。 それは、「能力」を育てることや、「頭をよくする」ことばかりが先行してしまっているという現実に対して持っている危機感です。「英才」「能力開発」「天才を育てる」といった言葉は、親にとっては、飛びつきたくなる言葉かもしれません。

でも、その前に、育んでおかなくてはいけない「愛着関係」や発達の順番、子どもの成長において上らなければいけない階段、そういったものには興味を示さずに、いきなり3歳くらいになって「幼児教育」に力を入れることは、その子の成長にとって、大きな危険を伴わせる結果になります。
もし、幼児教育に力を入れるなら、まずは、「愛着」の土台作りからはじめる必要があります。どんなに立派な幼児教育プログラムも、この土台がしっかり出来ていなければ、意味がありません。意味がないどころか、子どもの心を壊してしまうことさえあります。

子どもの発達の仕組みを理解する

だからこそ、親は、「子ども」について、ある程度の知識を持っている必要があると思います。親自身が、そうした子どもの発達の仕組みを理解することこそが、本当の「幼児教育」なのだと思います。
もし、幼児教育に力をいれようと思うなら、親は、幼児教室に通わせて、先生に子どもをまかせるのではなく、自分自身が「子どもの発達のしくみ」を学び、自分自身が子どもを導くディレクターになる必要があります。人まかせではなく、親自身の態度が重要なのです。

それは、教育ママになることとは、全く違います。教育ママは、勉強を押し付け、自分の期待を押し付けるだけで、「子どもの発達、成長のしくみ」が全くわかっていない人です。そうではなくて、子どもの「発達、成長のしくみを理解」し、親としての「役割を理解」し、適切な「環境」を与えられる人になることが重要ということです。

そうすれば、幼児教育などという小難しいものを持ち出さなくても、子どもは自然と豊かな能力を開花し、健全な心を養います。そのようにして育った子は、やがて、学童期や思春期になったときに「学校の勉強」の面でも、高い能力を発揮しますし、成人して社会人になれば、自分で人生を切り拓く人になるはずです。
ボクは、ひとりの親として、わが子には、そのような人間に育って欲しいと、心から願っています。

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