Interview
お母さんたちが肩の力を抜いて、ホッとできる居場所をつくりたい
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元看護師で、大阪府でベビーマッサージ&わらべうた産後ダンス教室「こころ」を主宰している東中茉由さんは、3人のお子さんを育てているママでもあります。発達障害と診断されたご長女やお子さんそれぞれに発達に不安を持ちながら子育てをされてきました。
東中さんの教室では、そうしたご自身の子育て経験をもとに、同じように発達に悩みを抱えている親子に寄り添いたいと専用クラスも始められています。
そんな東中さんからご活動報告をいただきましたので、ご紹介します。
きっかけは何気なく行ったベビマ教室
私には3人の子どもがいるのですが、第3子となる長男がまだ赤ちゃんだったころ、長女は発達障害である自閉症スペクトラムと診断されており、次女もまたその疑いがあるというなんとも複雑な状況にありました。
さらに、長男も助産師さんから低緊張を指摘され、受診をすすめられていたこともあって、私自身、ずいぶんと落ち込んだ時期がありました。
そんなとき、何気なく参加したベビーマッサージ教室で、久しぶりにゆっくりと息子と向き合ううち、息子への愛しさがこみ上げてきて、落ち込んでいた気持ちがどんどん和らいでいくのを感じました。
その体験が転機となり、もっと子どものことを知りたい、子どもの発達のことを知りたいと強く思うようになっていきました。
「児童発達心理学」を学びたいとたどり着いた先
それまで、いつも周りから子どもの発達の遅れを指摘されてきたので、子どもの将来へ対する不安をずっと抱えながら子育てをしていました。
どうやったら自分がそうした不安にさいなまれずに子育てができるだろうかと考えたとき、子どもの発達についての知識が必要だと感じ、発達心理学を学びたいと考えました。
ただ、3人の子育て中でもあるので、大学に通って学ぶのは難しい。ほかによい方法はないかと思案しているときに、ネットで「発達心理」と検索してたどり着いたのが、この日本アタッチメント育児協会でした。
資格取得で変化した子育てへの意識
すぐに「ベビー・キッズあそび発達インストラクター養成講座」を受講、子どものもつ力を信じること、子どもが安心して羽ばたける居場所と絆を育むこと=アタッチメント形成の大切さを知り、より乳幼児期からのふれあいを学びたいと「アタッチメント・ベビーマッサージインストラクター養成講座」も立て続けに受講しました。
受講したことで、私自身がこれまで抱いてきた自分のなかの後ろめたさから解放され、癒され、自己肯定ができるようになりました。
その結果、子どもたちを「もう比べなくても大丈夫」「生まれてきてくれてありがとう」と思えるように変わっていきました。
参加していた子育てサークルでベビマ教室を担当
現在は、自らの教室を主宰するかたわら、「キラキラ枚方ママ」という子育てサークル内でもベビーマッサージ教室を担当しています。
もともとは、私自身がこのサークルに参加していたのですが、そのころにはまだサークル内にベビマ教室がなかったため、「自分のこれまでの経験が活かせるのではないか」「ほかのママたちの力になりたい」との思いから、ベビマ教室の提案をしました。
その後、「キラキラ枚方ママ」では、月に1回のペースで教室を開いています。
コロナ禍で自宅でのマンツーマンレッスンへ切り替え
そんななか、コロナ禍が続いていることもあり、感染対策を徹底する必要が生じました。
そのため、すべてのレッスンを自宅でのプライベートレッスンに切り替えて行っています。
これによって、お一人おひとりのママとこれまでより、よりゆっくりとお話をしながらレッスンができるようになりました。
また、プライベートレッスンと並行して、ZOOMを利用したオンラインのベビマ教室にも挑戦してみたりと、このコロナ禍でのよりよい活動方法を模索しています。
お母さんたちの「しんどい」「辛い」を吐き出せる場所が必要
レッスンは、1時間半を目安に行っています。はじめに参加者の方に自己紹介をしてもらい、その後ベビーマッサージ、残りの時間はおしゃべりをする時間としています。
おしゃべりの時間がすごく大切で、レッスン全体でいうとだいたい半分以上の時間を使っています。
おしゃべりをするなかで、お母さんたちの子育てのしんどさや眠くて大変!といった気持ちを吐き出してもらい、気分転換の場になるようにと考えています。
いまは、SNSが普及したことで他人の生活を誰でも手軽に知ることができるようになったため、自分と比較して落ち込んでしまう方が少なくないように感じます。
私自身もそうでしたが、子育てに関してネガティブなことを感じてしまう自分はダメなのではと負い目を感じてしまうお母さんも多いので、理事長の著書に「子育ては1%の感動が99%の苦労を忘れさせる」とあったように、頑張り過ぎずに「99%はしんどいと言っていてもいいんだよ!」とお伝えしています。
あらたに、病気・障害や発達に凸凹のあるお子さんのためのクラスを開設
たくさんのベビーマッサージ教室がある今日、私にできることに注力して、より居場所に困っているママたちをサポートしていきたいとの思いから、2021年より「病気・障害や発達に凸凹のあるお子さん」とそのママとご家族限定の、自宅プライベートレッスンを開催していくことを決めました。
私は以前に、看護師として医療的ケアの必要なお子さんの訪問入浴を介助する仕事をしていたのですが、どのお母さんも1日の大半が介護で終わってしまう様子を目の当たりにしてきました。
そうした経験からも、病気や障害を持つお子さんのお母さんたちが安心して参加できる場、少しでもホッと肩の力を抜けるような場所をつくりたいと考えてきました。
また、私自身の子育ての経験からも、発達に悩みを持ったお母さんやお子さんにも気兼ねなくご参加いただける場所をつくりたいとの思いもありました。
ご参加くださった方からは、「同じ悩みや心配を抱えている方とお話できるのはありがたい、話を聞けてよかった」といったお声をいただいています。
障害に関わらず、それぞれの成長を喜びあえる場をつくりたい
お母さんたちが肩の力を抜いて、ホッとできるような居場所、かつての私が欲しかったと思う居場所をベビーマッサージ教室という形にして活動しています。
私のベビーマッサージ教室が、障害があってもなくても、それぞれの成長を一緒に喜びあえる場となるよう活動を続けていきたいです。
ベビマ教室の先生になりたい!と思ったときのその原動力と、志高い同期の仲間と学びを共有した時間を大切に、私にできることを微力ながら、これからも続けていきたいと思います。
東中さん、ご報告ありがとうございました。
東中さんのご活動の様子は、こちらからもご覧いただけます。
東中茉由さん(大阪府)
ベビーマッサージ&産後ダンス教室「こころ」主宰
活かしている資格>>
ベビー・キッズあそび発達インストラクター
アタッチメント・ベビーマッサージインストラクター
育児セラピスト前期課程(2級)
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