Interview

発達支援の現場で感じた 「親子マッサージ」の手ごたえ

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中嶋さんの保育士としてのキャリアは、われわれが想像するのとは、少し違うかもしれません。障害を持った子の保育を担当する「加配保育士」、「保健センター内 療育グループ支援員」として15年間、発達支援を専門としてこられました。そんな中嶋さんから、療育の現場における、キッズマッサージ導入の事例をお聞きしました。

発達支援のプラスになるものを求めて

何か発達支援のプラスになるものがほしいと考えていました。お母さんたちに『響いたな!』と実感しているのがアタッチメントでした。これまでは、仕事の合間の隙間時間に、独学してきました。

ここで、きちんと体系的に学んでみようと思いました。どうして大切なのか、そのために、どんなことができるのか。それならば、アタッチメントにとって、一番大事な生後すぐにできることから始めようと思い、『アタッチメント・ベビーマッサージ』を受講しました。 それを学んだうえで、自分が多くかかわる幼児期の子どもへの同じ学びとして『アタッチメント・キッズマッサージ』と『アタッチメント・ジム』を受講しました。

親子マッサージを療育プログラムに

療育グループは、発達が気になる子、発達に偏りがある子が対象です。中には、親子関係が気になる方も多いです。見ていて、「やっぱり親子のふれあいが足りないのかな」と感じます。さらに、実際に講座で学んだことで、それを再確認できました。そこで、親子マッサージを療育プログラムに取り入れてみようと思いました。

療育は通常、お母さんが連れてくるのですが、プログラムの大半はリーダーと子どもだけで行います。せっかくお母さんが来ているのだから、「親子のふれあい」の時間を持ってもらおう。それだけでなく、お家でもできることを持ち帰ってもらおうという思いで、療育プログラムに取り入れました。

子どもたちの人気プログラムになった

親子マッサージを取り入れて、多く聞こえるようになったのは、

「子どもたちの方からやってというようになりました」
「寝る前に必ずするようになりました」という声。お家でも取り組んでもらえています。

療育には、たくさんのプログラムがありますが、親子マッサージに関する声が一番多いです。親子マッサージをすると、お子さんの方に「嬉しい・気持ちいい・お母さんと一緒」という気持ちが生まれます。

療育に来るのは、3歳以上の子が多いです。このくらいになると、お母さんと触れ合うことや、抱っこされることも少なくなってきます。

でもここに来ると、お母さんがずっと「自分のことを見てくれる・いっしょにやってくれる」というのが嬉しいのでしょう。寝る前に「お母さんやって」という子が増えてきたという声もよく聞きます。

本当に、取り入れてよかったと思っています。

最近は、それだけでなく、アタッチメント・ジム(体操)も、家でやれること、できそうなことを中心に取り入れました。いまのところ、ジムよりもマッサージの方が、家庭での実践がすすんでいるようです。

やり続けて、自分のものにする

講座で学んだことを、現場で活かしていくためには、やり続けること。そうしないと自分のスキルになりません。だから、とにかくできるところに出向いて自分のスキルを磨いています。

療育現場での実践だけでなく、さまざまな現場で経験を積んでいます。たとえば、社会福祉協議会の中の地域サロンでは、アタッチメント・ジム(親子体操)とキッズマッサージ(親子マッサージ)を組み合わせたプログラムを実施しました。放課後デイサービスや、知り合い宅に出向くこともあります。

また、保育園に出向き、日々の奮闘をねぎらう目的で、保育士さんにハンドマッサージの施術もやっています。そのご縁で、園のベビーマッサージ教室の依頼もいただいています。

これからの展望

今年からは自分自身の活動として、ボランティアや療育の中で積み重ねてきた経験を活かしていきたいです。マッサージや親子ふれあい教室を開き、育児相談などを行っていこうと考えています。

また、発達支援の経験を活かして、地域の発達相談の場も作っていきたいです。