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第15回 育児セラピスト全国大会

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10/19
(土)

スキルアップ資格講座

アタッチメント・ベビーマッサージ リニューアル

アタッチメント・ベビーマッサージは、成人を迎えます

アタッチメント・ベビーマッサージがこの世に生まれてから、17年が経ちました。つまり、18歳成人の一歩手前です。これまでの17年は、「未完」の域であり、来年2025年に迎える18歳で完成する、と捉えることができます。

また、仏教における17回忌の「七」という数字は、「六道」つまり“生死を繰り返す六つの迷いの世界”を超えて悟りに至る数字です。

「17」というこの数字の意味を、私なりに解釈してみました。

『アタッチメント・ベビーマッサージにおける完成形にむけて、
17年目の今年に、節目を描く』

今年の全国大会スキルアップのテーマです。

アタッチメントもベビーマッサージも、最早みんなが知っている

実を言うと、こんな“こじつけ”をする前から、わたしの中では、今年は原点である「アタッチメント・ベビーマッサージ」を描(えが)きなおそうと考えていました。そう決めて、17年目というこのタイミングの意味を解釈したのが、冒頭の話です。

みなさんもお感じのとおり、この17年を経て「アタッチメント」は、もはや心理学用語という枠を超えて、一般的な言葉になりました。その概念も、多くの人に知られるようになりました。

以前は、専門書でしか見かけませんでしたが、今では育児本や対人関係の本、生き方の本などの一般書籍のなかでも扱われるようになり、「NHKスペシャル」や「すくすく子育て」といった象徴的な番組でも特集が組まれるほどになっています。

他方で、「ベビーマッサージ」にも、同じことが起きています。17年前に、わたしが「アタッチメント・ベビーマッサージ」を提唱した時は、アタッチメントという言葉だけでなく、ベビーマッサージさえも、一部の人しか知らない言葉でした。当時「アタッチメント・ベビーマッサージ」は、“二つの知らない単語の羅列”でしかなかったのです。それが今では、ベビーマッサージ教室は、全国津々浦々で地区ごとに開かれ、子育て支援と言えばベビーマッサージと言われるようになり、お母さんで知らない人はいない状況です。

“いま”というタイミングだから、アップデートする

こうして前提が変わってきた“いま”だからこそ、アタッチメント・ベビーマッサージを“アップデート”する一番のタイミングだと、わたしは考えました。もちろん、時代がどれだけ変わろうと、アタッチメントの本質は変わることはありません。アーユルヴェーダに基づくベビーマッサージも同じです。

それを了解したうえで、わたしの中で、17年前でなく“いま”だからこそ、伝えたいことがある、その伝え方がある、付け加えたいことがある、丁寧に解説しておきたいことがあるのです。

それは、アタッチメント・ベビーマッサージのカリキュラムだけではありません。一昨年の2022年に、育児セラピスト1級をリニューアルしました。アタッチメント・ベビーマッサージのカリキュラムの半分は、育児セラピスト2級です。育児セラピスト1級の基礎部分である2級も、やはり“アップデート”が必要なのです。

“アタッチメント理論”と“ベビーマッサージ”を結ぶ決定版

当協会の「アタッチメント・ベビーマッサージ」は、子育て支援におけるベビーマッサージのパイオニアであると自負しています。実際に、社会の中でもそのように評価をいただいています。この事実について、資格保持者のみなさんは、自信をもってください。

少し大それたことを言いますが、今回のアップデートをもって、“アタッチメント理論”と“ベビーマッサージ”を結ぶ「ベビーマッサージの決定版」の製作にとりかかろうと思っています。

アタッチメント理論においては、現代の新解釈を取り入れ、さらに愛着障害についてよりつっこんで言及します。発達心理学では、アタッチメントと密接に関係する非認知スキルをはじめとする、アタッチメントを補完する理論を取り入れ、より骨太の内容を盛り込みます。

さらに、ベビーマッサージにおいては、基となるアーユルヴェーダの概要を取り入れ、「なぜアーユルヴェーダのベビーマッサージでなければならないのか?」という観点からベビーマッサージの本質的価値を追います。

またオイルについての加筆修正、アレルギーの扱い方、ベビマ教室の法的根拠について、新コンテンツを追加します。それだけではありません。ここ数年で顕著なニーズの高まりがみられる、「低出生体重児・0か月児へのベビーマッサージ」のコンテンツおよび手技を追加します。

・・・とまあ、現段階では、追加要素ばかりの構想なので、これをどうやってカリキュラムに収めるかが、ネックとなりそうです。

一般に先駆けて、最初にみなさんに公開します

そんなわけで17年目の今年、アップデートした「アタッチメント・ベビーマッサージ」を、一般に先駆けて、まずは、既受講生のみなさんに公開いたします。

まだ、アタッチメント・ベビーマッサージを未受講の方は、ぜひ新カリキュラムで、ベビーマッサージの決定版を学んでください。

すでにアタッチメント・ベビーマッサージ資格をお持ちの方は、再受講で、新カリキュラムを学びなおして、ベビマインストラクターとして、さらなる進化を遂げてください。

ベビーマッサージ教室は、いまや子育て支援の花形となりました。政府も、0歳早期からの母子支援を重視しているため、この流れはますます加速するでしょう。すでにみなさんの地域には、競合も少なからずいることでしょう。

アタッチメントだから価値がある本当のベビーマッサージ

しかし、アタッチメントに基づく、本当のベビーマッサージを指南できるのは、われわれだけです。それが一番の強みです。「愛情豊かな・・・」とか「絆を育む・・・」といった感情にうったえる言葉だけで押し切るのではなく、体系と知識に基づく理論と実践、さらにその背後にある志(こころざし)までも含まれるのが、アタッチメント・ベビーマッサージ教室です。それは、習いに来るお母さんと子どもに必ず伝わります。そうしてみなさんの教室は、やがて自ずと“地域一番の教室” と認知されます。

アタッチメント・ベビーマッサージ教室のある地区は、
子どもがよく育つ。親が子育てを楽しめている。

みなさんが住む地域は、少しずつ時間をかけてそうなっていきます。そういう子育て支援を実現するためのベビーマッサージ・カリキュラムです。

一般社団法人 日本アタッチメント育児協会

代表理事

10/20
(日)

シンポジウム

今年のテーマは、同窓会

基調講演

宮島 祐先生  東京家政大学副学長・名誉教授/かせい森のクリニック院長
「育ちのなかで生ずる発達の不具合」

今年の基調講演は、東京家政大学 副学長の宮島 祐先生にお話しいただきます。宮島先生は、医師であり、教育者として保育士養成に携わり、発達障がい児支援の第一人者でもあります。

じつは昨年すでにお願いしていたのですが、なかなかスケジュールが合わず、今回ようやくご登壇いただけることとなりました。

宮島先生が提唱する「ペアレント・トレーニング」は、発達障がい児支援の現場での実践に基づくものであり、子育て支援を志すわたしたち育児セラピストにとって、大きな学びとなるだけでなく、これまでのアタッチメント理論の理解を深めるものになると思い、ぜひみなさんにご紹介したいと考えておりました。

問題行動は、発達障害だけが理由じゃない

発達障害は、生まれながらの脳機能障害であり、育ちや環境には関係ないものを言います。しかし実際には、発達障害ではなくても、その後の親の養育によって自閉症と類似する特徴が現れたり、言葉の遅れが生じたりするケースは少なくありません。こうしたケースでは、発達障がい児が抱えるような“生きづらさ”を背負ってしまうことも少なくありません。みなさんご存じの愛着障害は、それが病理となるくらい深刻な状態に高じたものと言えます。

多動や、コミュニケーションのズレ、言葉の遅れ、指示が通りにくいといった特徴をもつ子どもは年々増えている、という印象があることは、保育や子育て支援の現場の多くの方が同意するところかと思います。そうした子どもの親の養育に目を向けてみると、発達障害ではなく、むしろ養育態度によって「発達の不具合」が生じてしまっているケースは意外と多いという実感が、わたしにもあります。

熱心な親にこそ、見つめて欲しい発達の真実

なかでも、わたしが危惧するのは、親自身が、子どもに十分な愛情をかけており、子育てや教育に熱心なケースです。こういうお母さんは、自身も勉強熱心で、発達のことをよく学んでおられ、みずからの子育てを高く自己評価しています。そのため、子どもの発達に起きている異変に、なかなか気づいてあげられない傾向がみられます。

「言葉の遅れ」などのわかりやすい形で、2歳くらいの早い時期に表面化すれば、それが方針転換のきっかけとなり得ます。発達初期なので、養育態度と環境を変えることで、簡単に状況は良化します。

むしろ問題なのは、わかりやすく発達の不具合が出ないケースです。少し多動だったり、集中力がなかったり、指示が入りにくかったりする。さほど大きな問題ではない程度だと、これらの特徴が大人には、ちょっとした問題行動だと映ってしまいます。親は、それを正すために余計に厳しく接したり、叱ったり、正しい行動に矯正するような訓練をしてしまったりします。それによって、本人の自己意識を著しく低めてしまうことがあります。とくに感受性の強い子どもの場合、劣等感をさらに大きくしてしまい、生きづらさを増してしまいます。そうなると、特徴はより強く出てしまい、最終的に発達障害と診断されるケースも少なくありません。

まったく成り立ちが違う、愛着障害と発達障害

生まれながらの脳機能障害である発達障害と、育ちの中で生じた発達の不具合である愛着障害は、じつは境目なく存在しています。しかし、両者の成り立ちは、まったく違います。

愛着障害では、本来、乳児期の最初に獲得しておきたかった“自己肯定感”を得る機会がないままに、自律性や自主性といったその先の発達課題を求められます。さらに年齢を重ねると、規律や協調性、共感性といったもっと先をも求められてしまいます。すると年齢を重ねるごとに、子どもの脳は混乱してゆきます。混乱した脳は、やがて機能不全を起こし不具合が表面化します。この不具合は、「発達」そのものに起こる場合もあれば、「心」に起こることで親子関係を歪ませてしまう場合もあります。

そもそもの出発時点で、最も大事な“自己肯定感”の獲得を、阻んだのは何だったのでしょうか?いろいろあり得ます。早期幼児教育、早期えいご教育、習いごと、厳しいしつけ、過干渉・・・いずれも、0・1・2歳の時期に、親が子どもにとって“良かれ”と思ってやることです。これらが、悪であると言うつもりは、毛頭ありません。しかし、取り組み方によっては、愛着不全や愛着障害という“良くない”結果を生んでしまうメカニズムがあるのも事実です。アタッチメント的に言えば、そのカギこそが、“自己肯定感”を獲得できたかどうかです。

東京家政大学 狭山キャンパス

今回の宮島先生のお話は、発達障害というテーマだけでなく、子育てや保育全体に関わるお話しであるのとともに、親、保育者、子育て支援として、「本当に大事なことは何なのか?」という問いを考えるきっかけにしたいと考えております。

“これまで”の価値観がまったく通用しない、“これから”の時代に、子育ては、保育は、教育は、何を拠り所にすればよいのか?どこへ向かえばよいのか?そんな答えのない問いに立ち向かう機会となれば、という願いを込めています。

一般社団法人 日本アタッチメント育児協会

代表理事

優秀実践発表

言葉にして振り返った人だけに起こることがある

今年も、毎度同じことを繰り返しお伝えさせていただきます。

実践報告には、いつも報告者の視点で紡がれた物語があります。さまざまな登場人物が描かれ、出来事やアクシデントをとおして主人公が成長します。そうした報告者の発表を聴く機会が、優秀実践発表です。これは皆さんにとって、脳への刺激であり、発想の転換であり、モティベーションの源泉となります。

同時に、実践報告は、みなさん一人ひとりが「これまでしてきた実践を言葉にして振り返る」機会でもあります。実践報告をした人が、優秀実践者の発表を聞くのと、してない人が聞くのとでは、起こる事実が全く違います。つまり、両者の間では、その脳内で起こっている反応の次元が全く異なるのです。発表者の物語は、聞き手により深く、よりリアルに、より実用的に伝わり、それを自分事に置き換えて解釈することができます。そのため、よりダイナミックな体験となり、大きな学びと刺激と発想を受けることになります。同じインプットが行われても、受け手によってそのアウトプットは全く異なるのが、われわれの脳の特性です。

カタチなきものにこそ、本当の価値が宿る

これまでの活動の区切りや振り返りとして、そして、これからの展望を描くため、「実践報告すること」は、この上ない価値を創出してくれます。言葉にしてまとめた時点で、大きな意味が立ち現れます。

さらに、優秀実践者として、それを発表することで大勢の人にアウトプットする機会を得ると、何かのスイッチが入ったかのように、自分のまわりの状況が動き始め、必要な情報が入ってきたり、必要な人と出会ったりします。これは、社会学者ロバート・キング・マートンの言う“セレンディピティ”や、心理学者カール・グスタフ・ユングの言う“シンクロニシティ”に外なりません。実践報告には、そんな奥深い世界観が確かに存在します。これまでの発表者をみてきて、これは、はっきりと断言できます。

“場” には、想像を超えたチカラがある

実践報告をしたことのない人は、ぜひ今年やってみてください。書くだけで、すでに大きなものが得られます。いまやっていることの価値が実感できます。そして、次にどこに進みたいのかという展望が見えてくることと思います。

実践報告をしたことのある方は、“その後”をつづってみてください。物語のつづきです。すると、自分が確実に前に進んでいることが実感できます。点と点は線でつながり、明確な展望が浮かび上がります。それは、あなたの人生を豊かにしてくれます。

今年はぜひ、実践報告の段階からご参加ください。

育児セラピスト全国交流会

毎年恒例のランチを介した「おしゃべり会」です。特に、今年のテーマは「同窓会」。いっしょに学んだ仲間との再会であり、新しい仲間との出会いでもあります。お互いの近況や、いま取り組んでいることなどを自由に話し、交流することで、その後につながる関係性が生まれます。

そもそも、全国大会は、講座を修了された方たちが再び集い、しゃべり、刺激を受け、つながり合い、新しい関係をつくるための場です。たまたま、同じグループになった人は、そうなる縁でつながっている人です。何かしら意味があります。ランチ交流会は、その入り口です。じつは、そのあとにおこなわれる「お悩みスーパーバイズ」につながる導入の役割も担っています。

お悩みスーパーバイズ 2024

「お悩みスーパーバイズ」では、お互いの悩みに向き合います。全国大会のように、同じ思い、同じ志をもって、同じ学びを共有している仲間同士が集う場だからこそ、“安心安全の場”が形成されます。そのような場で、悩みを他者に打ち明ける、他者の悩みを聞く。いろんな人の考え方や捉え方に触れる。それは、人によって、刺激であったり、新たな気づきや解決であったり、あるいはセラピーになったりします。

じつはこれ、アタッチメント理論に基づく心理療法として近年注目されている「メンタライジング」という心理セラピーで起こる作用そのものなのです。

ある人は、刺激をもらうことで、なえかけていたモティベーションに再び火が付くかもしれません。やりあぐねていたことの解決策を得る人がいるかもしれません。気落ちしていた心が、癒されるかもしれません。同じように悩んでいる人に出会い、「自分だけじゃなかった」と背中を押されるかもしれません。

人とつながり、未来とつながり、価値を創出する

わたしは、ここで、スーパーバイザーの役を、毎年させていただくことで、みなさんとの関係性を深め、先の展望を持たせてもらい、明日への活力をいただいております。同時に、参加者のみなさんにとっても、そのような時間となっていると願っております。

とくに、今年のテーマは「同窓会」。久しぶりに再会した仲間や、新しい仲間と繰り広げられる会話は、ステキなセレンディピティとシンクロニシティを生んでくれるでしょう。

まだ、全国大会に参加したことのない方は、ぜひそれを確かめに来ませんか?

経験者の方は、この全国大会を、一里塚あるいはベンチマークのように活用してください。

一般社団法人 日本アタッチメント育児協会

代表理事

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東京会場(アタッチメント・アカデミア東京校)
10/19(土)・20(日) スキルアップ講座 + シンポジウム
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