Interview
NPO法人「どんぐりの会」を立ち上げ多くの子育て家庭をサポート
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学童保育と幼児保育を行うNPO法人「どんぐりの会」を運営する池田芙美さん。三重県津市内に2つの施設を持ち、多くの子育て家庭をサポートしています。池田さんからこれまでの活動についてご報告をいただきましたので、ご紹介します。
子育てのため、やりたい仕事を諦めた過去
私は、子どもが3歳のころにシングルマザーになりました。そのため、以前やっていた老人介護の仕事での再就職を目指しましたが、子育て中の私は勤務条件が折り合わず、その仕事に就くことは叶いませんでした。
そのときに、出産や子育てを経ると勤務時間や曜日などの条件が壁となり、希望の職業に就けなかったり、資格を活かせなくなったりと思うように働けなくなる場合があるのだと痛感しました。
自身の経験をもとに学童保育を開設
その後、子どもが小学校にあがり、学童に通うようになるのですが、学童を保育園と同じように考えていた私にとって、そこは衝撃の連続でした。
私の地域の学童は、まず預かってもらえる時間が短く、運営主体が保護者となるため、多種多様な事務仕事を親が分担しなければならず、大変な思いをしました。子どもが小学5年生になり学童を利用しなくてもよくなったときは、本当にホッとしました。
こうした自分の経験から、働く親に対して便利で優しい学童をつくりたいという思いが強くなり、放課後はもちろん、土日祝日、夜間も預けることができる学童保育をメインとした「どんぐりの会」を2013年に立ち上げました。
ニーズに合わせ幼児保育もスタート
「どんぐりの会」で学童保育をスタートさせると、今度は利用者さんから、下のお子さんも預かってほしい、乳幼児は預かってもらえないの?というお声をいただくようになりました。
この地域では、他に乳幼児の日祝日や夜間保育ができる施設がなかったので、やはり自分たちがやらねばとの思いから幼児保育も始めることに。
幼児保育は長時間保育の「このみルーム(0~6歳)」と短時間保育の「さくらんぼ組(2~3歳)」があり、保育自体は全員一緒に行っているので、あそびの中でも年齢の違いを意識しながら工夫して保育をしています。
たて割り保育がもたらす良い影響
同じ施設内の1階で学童保育を、2階で幼児保育を行っています。
日常的に小学生の子たちは幼児さんたちのお世話をしてくれていて、交流が生まれており、自然とたて割り保育ができています。
学童の子たちは一人っ子が多いので、幼児さんたちと関わることでお兄さん、お姉さんとしての自覚が芽生えるように感じます。
スタッフの知識の幅が広がるきっかけにも
また、同じ施設内で学童と幼児保育を行うことでスタッフ同士が仕事をシェアできるというメリットも。
学童は長期休みを除いて、午後からの利用となるため、午前中は学童のスタッフが幼児保育のサポートへまわることができ、そのことでスタッフの保育に関する知識の幅が広がったと感じています。
幅広い世代の子育ての悩みに応える
お迎えのときなど、保護者の方から子育ての悩みや不安などをご相談いただくことがあります。
お子さんが牛乳が飲めない、偏食がひどいといった悩みから小学校中・高学年の女の子のダイエット問題、発達の悩み、夫婦関係の相談まで。
協会での資格取得の際に学んできた知識がとても役に立っています。
お子さんとの接し方が気になるお母さんがいた際も、お母さんの心境を探りながら話を持っていったり、まずは信頼関係をつくってから踏み込んでいこうといったように、どう対応していくかは昨年学んだアタッチメント心理カウンセラーの知識が大変役に立ちました。
これまで協会で7つの資格を取りましたが、「どんぐりの会」で接する子どもから大人まで幅広い年齢層に対応できる知識が身についたと感じています。
さらなる支援としての子育てスクール「ブリエママ」
さらに、これまで取得した資格を活かし、施設内の教室の空き時間を利用して子育てスクール「ブリエママ」を開講する予定です。
「ブリエ」とはフランス語で輝くという意味。
現在はコロナ禍でまだ始められていませんが「アタッチメントマタニティヨガスクール」「アタッチメント食育教室」「ベビーあそび発達教室」「プレスクールあそび発達教室」の4つの教室を予定しています。
教室の時間は、午前中と夕方の2部制とし、働くお母さんたちにもご参加いただけるようにと構想中です。
子育て家庭や子どもたちの未来へ貢献していきたい
さまざまな相談を受けるなかで、もっともっと子育てにおいて大切なアタッチメントのことを「ブリエママ」でも伝えていきたいと考えています。
妊娠中から参加できる教室をつくったのは、生まれてからよりも妊娠中から子育ての核の部分を伝えてあげたいと思ったからです。その時はまだピンとこなくても、知っているのといないのとでは後々何か困りごとがでた際に、気持ちの面で全く違うのではないかと感じるからです。
教室にきてくださることで、相談しやすい関係性もつくれるのではないかとも思います。
これからも「どんぐりの会」での活動を通し、さまざまな子育て家庭の不安や悩みに寄り添い、お子さんたちの成長に貢献できる存在でありたいと願っています。
池田さん、ご報告ありがとうございました。
池田芙美さん(三重県)
NPO法人「どんぐりの会」理事長
活かしている資格>>
ベビーキッズ・あそび発達インストラクター
育児セラピスト
アタッチメント・食育インストラクター
発達支援アドバイザー
アタッチメント・ヨガインストラクター
プレスクール・あそびインストラクター
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