第8回育児セラピスト全国大会2017東京会場「10年の時を経て」
優秀実践発表2017・東京会場
アタッチメント教室部門:高砂 真希子さん(専業主婦)
「等身大」の教室運営が、巻き込み力の秘訣
高砂さんは、神奈川県川崎市で、ベビーマッサージをはじめとするママのための教室「ハッピースマイル」を運営しています。
今回の発表に際して、高砂さんは、あえて肩書きを「専業主婦」と紹介することを希望されました。それは、普通の専業主婦という立場でベビーマッサージ教室をやっている自分として発表したい、との思いからだそうです。そんな高砂さんの活動をひと言で表現すると、「等身大」です。彼女は、この「等身大」のスタンスによって、ご自身の活動の歯車をバランスよく回していらっしゃいます。
最初、高砂さんは、アタッチメント・ベビーマッサージに出会う前に、保育士資格を取得しています。それは、保育士になるためではなく、子育てをきっかけに保育関係のことに興味を持ったことがきっかけだったそうです。でも、自分に自信が無くて、保育士資格のことは、お友達には言えないでいたそうです。そして翌年、アタッチメント・ベビーマッサージを受講したら、ワクワクする気持ちが抑えられなくて、資格取得してから半年後にはベビーマッサージ教室を始めてしまったそうです。そして、その後、教室の幅を拡げるためにキッズマッサージとアタッチメントジムの資格も続けて取得したそうです。
アタッチメント・ベビーマッサージを受講してワクワクが止まらなかった
保育士資格のことを、自信がなくて隠していた高砂さんが、アタッチメント・ベビーマッサージ講座を受けて「ワクワクしてくれた」それだけではなく、わずか半年で実際に「教室を始めてくれた」わけです。私は、これを聞いた時、高砂さんが受講してくれたことを非常にうれしく、そして、本当に誇らしく思いました。まさに「ワクワクした」内的動機付けによって、活動を始められたこと、それは、すごい勇気が必要だったでしょうし、その過程では、大きな自信も醸成されたことでしょう。そうした心の成長の背景が読み取れたから、うれしく、誇らしいと感じました。
費用をかけずリピート重視で着実に続ける「等身大の運営」
そんな高砂さんの活動は、すべてが「等身大」です。そこには、無理や背伸びがなくて、とても自然なスタンスが見て取れます。場所は、プレイスペースのある公民館や文化センターなど公共の場所で、開催は月3回と忙しくなり過ぎない頻度にしています。そして、これまでの優秀実践者の方と同様に、リピートを重視し、平均参加回数5回、リピート率85%以上を維持しているそうです。これは、来た生徒さんに満足して帰ってもらえている証拠です。このリピート重視の教室運営は、クチコミの効果も生みますので、いずれは、新規の生徒さんはクチコミのみで入ってきて、広告宣伝なしで回るようになります。こうしたスタイルは、費用も掛からず、着実に長く続けられるとても「等身大」な運営スタイルです。
生徒さんとは名前で呼び合う「等身大の関係性作り」
また、高砂さんは、生徒さんとの関係性においても、とても「等身大」です。ご自身を「先生」と呼んでもらうのではなく、下の名前で読んでもらっているそうです。そして、ご自身も生徒さんのことを苗字ではなく、下の名前で呼ぶそうです。これは、同じ子育てママとして、等身大の関係を作り、先生と生徒というよりは、対等な仲間という感覚を生みます。年齢の近いお母さんを生徒にする時には、このやり方は、関係性を深めるのにとても有効です。「先生」と呼ばれて、背伸びをする必要がないので、自然な関係性が作れるのです。
等身大の関係性が生む「巻き込み力」コラボパワー
この「等身大の関係性」は、高砂さんの「巻き込み力」にもつながっています。実際に、高砂さんの教室では、生徒さんの一人が、教室をやっている間、保育をやってくれたり、デザイナーの生徒さんがチラシを作ってくれたりしているそうです。高砂さんの活動に共振して、巻き込まれてくれているわけです。また、生徒さんと話が盛り上がって、コラボ企画に発展することもあるそうです。バルーンアートをやっている生徒さんや、リラグゼーション・セラピストの生徒さんなどと、これまでにコラボしたそうです。また、当協会のつながりでのコラボもあったそうです。ハンドセラピストで、アタッチメント・ベビーマッサージのインストラクターでもある明田るみさんともコラボレーションしたそうです。この「巻き込み力」の高さは、高砂さんの無理も背伸びもしない「等身大の人間関係づくり」の賜物だと思います。
「等身大」だから続けられる、楽しめる!無理も背伸びもしない!
もう一つ、高砂さんの「等身大の賜物」があります。それは、「続ける力」です。等身大だからこそ、純粋な内的動機で活動できています。これは、続ける力の源泉の一つです。そして、子育てを優先して、決して無理をしないと心に決めているそうです。そのため、メールやSNSにおいても、即レスをしないようにしているそうです。これ、現代人には、本当に大切なスタンスだと思います。実に等身大で良いです。
私は、高砂さんのように、専業主婦で、子育てを楽しみながら、ベビマ教室をやる方には、この「等身大」という運営スタンスをぜひおススメしたいと思いました。無理をしない、背伸びをしない、等身大な高砂さんの活動は、見習うところがいっぱいで、とてもステキだと思いました。これからも、等身大で活動を続けてください!応援しています!
目次
- 1日目:全国大会スキルアップ講座
『アタッチメント発達支援アドバイザー』 - 「アタッチメント発達支援0期に確かな手ごたえ」
- 2日目:育児セラピスト全国大会シンポジウム
- 開会あいさつ
- 遠藤利彦先生 特別講演「アタッチメントと子どもの発達」
- ▼ 東京会場 優秀実践者発表
- 「等身大」の教室運営が、巻き込み力の秘訣
- ― アタッチメント教室部門:高砂 真希子さん(専業主婦)
- 北海道の東のはしから、育児セラピストの理念、ココにあり!
- ― 育児の専門家部門:西島 聖美さん(ピアノ・リトミック講師)
- ランチ懇親会
- グループワーク