第7回育児セラピスト全国大会2016「あそびをまなぶ」
2日目・シンポジウム
開会あいさつ
今年も、昨年に続いて東京と大阪の2か所で全国大会を無事に終えることができました。淑徳大学、宝塚大学の関係者の皆さま、そしてご参加いただいた皆さまには、心から感謝いたしております。ありがとうございます。
さて、今年で7回目となる育児セラピスト全国大会ですが、今年のテーマは
「あそびをまなぶ」 ~ 脳とこころとカラダの遊ばせ方 ~
でした。幼児教育や早期教育がブームの兆しを見せている今だからこそ、真面目にその本質と向き合いたいテーマです。
今回「あそび」というものを、3つの本質的な切り口から捉えてみました。1つ目は、その語源「悠(ゆう)」という字から来るものです。「悠」は本来「禊(みそぎ)で清められ心がゆったり落ち着く様子」から「余裕がある」といった意味を持っています。2つ目の切り口は、「無目的で意味のない活動」という定義です。確かに、「あそび」に目的を持たせてしまうと、もはや遊びではなくなってしまいます。3つ目は、「あそび」の本質を表す「心を満足させる、楽しくワクワクする営み」という切り口です。
1. ゆったりして、余裕がある
2. 無目的で意味のない活動
3. 心を満足させ、楽しくワクワクする
ところで、全国大会の前日には、毎年恒例のスキルアップ講座において、新しい講座を発表させていただいております。今年は「プレスクールあそび発達講座」でした。その講座のメインテーマをひと言で表現すると
『子どもをどう遊ばせるかで、その子の将来の幸せ度は決まる』
というセンセーショナルな言葉にまとまります。これは、私が勝手に言っている事ではありません。ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン博士による研究結果によるものです。ここで、大事なのは「どう遊ばせるか」というところです。同じことをしても、遊びが「あそび」でなくなったりするわけですから、コトは簡単ではありません。
さて、最近の子どもは、遊べているのでしょうか?
この問いに対しては、前日の 「プレスクールあそび発達」を受講した保育士さんの嘆きを思い出します。
「最近のお母さんは、『遊び』はいいから、もっと『学び』になることをしてください、とおっしゃいます。『遊び』こそが、一番の『学び』なのだとお伝えしても、聞く耳を持ってくれずお勉強的なものを期待されてしまいます。」
そうです、答えは「遊べていない」のです。「遊ぶことを許されていない」と言った方が正しいかもしれません。「どう遊ばせるか」は、人生の幸せ度を左右するというのに。その保育士さんの言うとおり「遊びこそが学びである」のであって、もっと言えば『すべての学びは、遊びから生まれる』わけです。
今日の全国大会では、
「脳」を無目的に使い
「こころ」を楽しくワクワクさせて
「カラダ」に余裕をもって
子どもに帰って、脳とこころとカラダを遊ばせましょう! そして、遊びから生まれる学びを受け取りましょう。
目次
- 1日目・スキルアップ講座
- 開会あいさつ
- 東京会場 優秀実践者発表
- ― 保育・幼児教育部門:安原マヤさん
- 「わが子の成長のために学んだ知識とスキルは、子育て支援で活かされる」
- ― アタッチメント教室部門:Kさん
- 「体操の先生が、心の教育を身に付けて展開する、人間教育としての体操教室」
- 大阪会場 優秀実践者発表
- ― 保育・幼児教育部門:寺下 悦子さん
- 「『思い』と『好奇心』と『欲求』が創りだす、人生第二ステージの生きがい」
- ― アタッチメント教室部門:植戸 真紀さん
- 「8年間のキャリアを通して生まれたリピート率9割の教室運営の秘訣とは?」
- ― 子育て支援部門:鎌田 怜那さん
- 「臨床心理士の仕事と子育て支援の活動で生まれた相互作用が、子育てを変える」
- ランチミーティング
- グループワーク
- 公開教室